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二人の姿が見えなくなった途端私のスイッチはｶﾞｺﾝｯと落ちた
今まで笑っていた表情筋は死に、肩の力は抜け切りただ立ち尽くしていた
もう疲れた
もう嫌だ死にたい
頭の中にそれしか無かった
「A、取り敢えず控え室に戻ろう」
そうスングァンに声を掛けられても体が動かなかった
「…A、もうちょっとだけ頑張って？」
優しいその言葉に過剰に反応した
理性は無かった
『もうちょっと…？頑張って…？私、頑張ったじゃん
これ以上なにをどう頑張ればいいの！？』
店の中だと言うのに私は叫んだ
幸い店は賑やかで私の声は掻き消されたようだ
スングァンの胸倉を掴んで睨む
『ねぇ、じゃあ教えてよ！
私、なにをどうしたらいいの！？スングァン分かるんでしょ！？』
スングァンは表情一つ変えることなく私の手を解き、私の口を抑えた
「A、お客さんに聞こえる
静かにして」
冷たい表情で見下ろされて酷く傷ついた
『…っ、ごめん』
「今日はもう帰ろう？送っていくから」
『…』
頭の中ではママに挨拶しないととかまだ1時なのにとか色んなことが浮かんだけれど何もかも口にするのが億劫でそこまで考えられなかったフリをした
スングァンはいつの間にか私の荷物を片手に持っていた
「ママ、A送ってきます」
「あらら…任せたわよ」
「また戻ってきます
ほら、A行くよ？」
私は俯いたまま腕を引かれﾄﾎﾞﾄﾎﾞと歩き出した
「ほら、車乗って」
言われた通りに開けられたドアの助手席に座りシートベルトを嵌めてもらうのを眺めていると私って廃人みたいだなと思った
走り出した車から窓の外を眺めていると私と同じ職業の人達がお客さんと歩いているのを何人も見た
『…スングァン』
「何？」
死にたい
そう言おうとしてやめた
『…私、笑えてた？』
「うん
いつも通りだった」
『愛想が無いって言われた』
「ん〜…あの人だったからでしょ」
『…シャンパンぶっかけられた』
「うん
最低だよ」
『何で私生きてるんだろう』
「…産まれてしまったんだから仕方ないよ」
『仕方ないか…』
「うん
でも、Aが産まれたいって思ったから産まれてきたのかもよ？」
『それはない
この世は地獄で…輪廻転生の輪から外れた時初めて地獄から開放されるの
私はあと何回かこの地獄に生まれ変わらないといけない
それを超えないと私達は天国には行けないんだよ』
「Aにとってここはそんなに地獄なの？」
私はその質問に答えなかった
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nagi(プロフ) - いいいさん» コメントありがとうございます！頑張って完結させますので応援よろしくお願いします…！！ (2021年3月19日 22時) (
レス) id: 48a3cc141f (このIDを非表示/違反報告)
いいい - 完結してください！ (2021年3月19日 17時) (レス) id: d305fb51e1 (このIDを非表示/違反報告)
nagi(プロフ) - ぽんさん» ご指摘ありがとうございます。外させて頂きました。 (2021年3月17日 1時) (レス) id: 48a3cc141f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nagi | 作成日時：2021年3月17日 0時
