106 ページ7
時間はあっという間に過ぎ去り体育祭の日がやってきた
生徒達は皆気合い一杯で放課後残って一生懸命競技の練習をする子達や出し物の練習をする子達の姿を見て元気をもらっている
けれど怪我をする子が増えるというのが少し心配ではあるけど…
そろそろ始まる時間だ、グラウンドに降りよう
日焼け対策をしてグラウンド迄の道を歩いていると後ろから『先生』と声をかけられた
「おはようミュン君」
『おはようございます。先生、僕とテオ、クラス対抗リレー出るので見てくださいね』
「二人とも出るの?凄いわね。頑張ってね」
『はい』
「A、急がないともう皆並んでる」
『はいはい、先生つまづいて転ばないでくださいね』といってミュン君とテオくんは坂道を加速しながら駆け下りていった
「やっぱり元気だわ…」
ゆっくりと坂を降りて先生方が待機するテントに行き開会の挨拶を聞く
長い話と準備体操を終えパンというピストルの音ともに大会が始まった
さぁ、怪我人たちが続々と運ばれてくるぞ…
体育祭の時だけ設置される保健室代わりのテントの下で皆のバトルを見守っていると一つ一つの競技で毎回何人かがこけて絆創膏やらを貰いにやってくる
「先生〜、擦りむいちゃった…」
「は〜い消毒して絆創膏貼るね」
「ありがと先生!」
「頑張ってね!」
そうやって何人もの生徒を送り出しているときゃあああ!と歓声が上がった
なんだとグラウンドに目を向けると三年生の借り物競争らしかった
走っているのは…ミュン君だ。きょろきょろしてるけどお題はなんだったんだろう
あ、目が合った
え、走ってくる、えっ私…!?
戸惑っている間に目の前まで走ってきたミュン君に手を取られた
『先生、ちょっとだけ貸してください』
「えっ…ちょっ、私走れないよ!?」
『走らなくていいんです。これ先生しかいないから』
「えっちょっと…!」
ミュン君は他の子達に抜かされても気にしていないみたいで優しく私の腕を引いてゆっくりと歩いてゴールまで連れていった
最下位にしてしまったけれどお題はなんだったんだろう
司会の人がお題の発表を順番にしていく
『お題は、好きな先生。です』
そう言って私の手を握り上に持ち上げて微笑む彼に不覚にもドキリとした
その瞬間きゃぁあああと言う女の子達の声援が響き渡り司会の人がひっきりなしに静かにしてください。と繰り返していた
ああ…なんてこった、私はとんでもない子に懐かれてしまったのではないか…?
383人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:nagi | 作成日時:2021年5月12日 15時