本に埋もれて死んでしまいたい (ページ12)

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あるいは、泰麒が驍宗を選んだことで、自分より驍宗の方が優れていると評価されたことに対して、また、自分を選ばなかった泰麒、自分を選ばなかった世界への怒り。

双璧としてどちらが優れているか決められないとされていた二人の間に、王になったものとなれなかったものとして差がついてしまったことが悲劇の始まりだったのかも。

阿選の行いはそういった、いわば小さい子供が駄々をこねるようなものなのかもしれません。

そして、戴国の王が(騒乱が起こったあともその最中も)常に、驍宗であるという事実も国土を荒らす原因の一つかもしれません。

騒乱をおこしても、依然として戴国は驍宗の国であり自分が驍宗に負けたという事実は変わらない。

自分を劣っていると判断した泰麒が憎い、そのことを知らしめる驍宗の国である戴国が憎い、驍宗を慕うものが、驍宗に関連するすべてが憎い。

彼の行動はそんなところから来ているような気がするのでした。

権を握りたかったわけではなく、駄々っ子のような憎しみからきていた行動だったから、わかりにくかったのかもしれません。

”駄々っ子”と言いましたが、憎むものとそれに関連するものを手当たり次第に壊すような、八つ当たりともいえる行動って本当に駄々っ子のよう。