伍話 ページ6
貴女「……ん」
窓からの日差しが私の目覚ましとなり、重たいまぶたを開けると大きな天蓋が目に止まった。
貴女「あれ、私……。」
昨日のことを、頭をフル回転させて思い出す。
たしか、照美という男にこの部屋に連れてこられたところまでは覚えている。しかし、その後のことは全く記憶にない。
貴女「きっと、疲れて寝ちゃったんだ。」
そう思うことにし、ゆっくりと起き上がった。
私は、布団から出ると着替えを探しに棚に行った。
しかし、引き出しを開けてみてもなにも入っていない。
貴女「あれ、おかしいな。昨日、脱いだ服どこにやったっけ？？」
しばらく悩んでいると
ガチャ と扉を開く音が聞こえてきた。
すると、
「やあAちゃん。お目覚めかい？？」
という声が聞こえ、私の部屋の中に誰かが入ってきた。どうやら、照美ではないらしい。
私は、少し警戒をし身を後ろに下げた。
「やだなぁ。そんな怖がらないでよ。俺は、吹雪士郎。士郎ってよんでね。」
貴女「……。私はA。」
吹雪「うん、知ってるよ。しかし、噂通りの美しさだ。これなら、この店もしばらくは安泰だね。」
自分に自信がない私は、うつむく。
すると、何かを察した士郎は
吹雪「Aちゃん、おいで。着替えを一緒に取りに行ってあげる。」
と言い、手招きをしてきた。私は、少し崩れていた浴衣を直し去っていく士郎の背中を小走りでついていった。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
士郎「うん！これなら、Aちゃんに似合うね。」
衣装部屋に連れていかれ、士郎によって浴衣を素早く脱がされた私は、まるで着せ替え人形のように着物をあれこれ着させられていた。
でも、思索した甲斐はある。今、私が着ている着物は赤い椿が大きく付いた純和風のものだ。美しい着物に、私も惹かれていた。
貴女「士郎さん、有難うございます。」
と、私は士郎に微笑んで礼を言うと彼は薄らと頬を染め
士郎「いえいえ。Aちゃんのお役に立ててなにより。」
と言った。
私は、不安な気持ちは薄れ、これからの生活に対する期待を膨らませていた。
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りま(プロフ) - ゆーみやン＠JustinB好きさん» ありがとうございます！本当に嬉しいです！これからも宜しくお願いします。 (2017年4月26日 19時) (
レス) id: 955dc22c3d (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン＠JustinB好き(プロフ) - 完結おめでとうございます！ 切ないお話でしたが、感動しました！！ 読み飽きなかったです！ これからもりまさんのこと応援しています！( *´艸｀) (2017年4月9日 1時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
りま(プロフ) - 南野ユウカ@元ぱるさん» ありがとうございます。そんなこと言っていただき本当に嬉しい限りです。今後ともりまの作品を宜しくお願いします。 (2017年3月25日 8時) (レス) id: 7395b73eeb (このIDを非表示/違反報告)
南野ユウカ@元ぱる(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても面白かったし、展開が読めなくて凄くワクワクしてました。 (2017年3月25日 6時) (レス) id: 16e2777840 (このIDを非表示/違反報告)
ぱる(プロフ) - りまさん» はい！更新頑張ってください！！(o^-')b ! (2016年11月13日 9時) (レス) id: 16e2777840 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りま | 作成日時：2016年5月28日 17時
