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「そういえばさ連絡あったりした？」
「だれから？」
「…彼氏。もう元か」
あーいたなそんな人…ごめん元彼。
もう存在抹消してた。というより完全に忘れてました。
私の微妙な反応から察知したのか、今度は手を叩いて笑い出した目の前にいる男。この男、顔は良いが性格は悪いかもしれない。他人事のように笑ってますけどそもそもあなたが忘れさせるような発言したからだろうが。
「その感じだと忘れてただろひっでぇやつ」
「だって！…それは翔太がとんでもない事言ったから」
「うは、確かに原因は俺かぁ！じゃあ俺とお前共犯者〜」
「今後笑うの禁止。笑ったら口潰す」
「こわすぎるんですけど！助けてぇ！」
禁止と告げたそばからガハガハ笑う翔太とつられて吹き出してしまう私。
こういう時間を長い間過ごしてきてしまったから、以前の親友のような関係性のままでいたいとも思ってしまう。身内にしか伝わらない話で盛り上がったりバカみたいなこと言い合ったりして。それはそれで純粋に楽しいんだよな。
やっぱり友達からの彼氏彼女になるって難しい？
おい恋愛って難易度高すぎないか？
翔太、教えてくれないか。
翔太は私とどうなりたいんだ。
目を見開いてこの念が伝われ…！！と穴の開くほど翔太の顔を見つめたが、ジョッキ2杯で焼き鳥の串で指揮を取りはじめ気分良く歌い出した翔太に届くはずがなく。
「しょうたー返事とか聞きたいー？」
「へんじー？なんだっけか」
「…よし、もう帰ろうか」
「A！頼んだ！これおれの財布です」
年々酒弱くなってない？こうなると使い物にならないのでタクシー拾って家まで送り届けなきゃいけない。車内で爆睡してるのがムカついたからちゃっかり翔太の財布からタクシー代は支払わせてもらった。
もう外で飲むのも禁止だな。と、タクシーからほぼ引きずるようにして降ろしお前も泊まってけと駄々を捏ねる翔太を部屋へ押し込みながら強く思った。
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作者名：無色透明 | 作成日時：2023年11月23日 22時
