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全ての鍵をかけた。
玄関の扉、窓、とにかく近隣に音が漏れないように全部の。
落ち着いて。聞き間違えではないはず。
大音量で永遠とリフレインされる、「俺にすればよくね？」「俺を好きになれよ」…
俺にすればよくね？
俺を好きになれよ
ちょっといいか？
好きになれよってさあ、
私の方が翔太のことずっと前から好きだったんですけど！？
翔太のずっとっていつから？？
私は高校二年の春から！！胸を張って言える！！
クラス替えで隣の席になったときからなんですけどもう8年も経ちますけど絶対に翔太の「ずっと」よりも前の自信あるんですけど！？
ここまで好きなのに何故伝えようとしなかったのか。
それは高校三年、帰りの支度をしているときだった。
「Aは男女の友情が恋愛に変わることってアリ？」
いきなりだった。翔太一筋で恋愛経験もなかった私にそれを聞いてくる？もしかして私の気持ちバレてる？って冷や汗が止まらなくなった。
「私はアリっていうか…そういうこともあると思う」
「マジかぁ。俺はナシなんだよね友達からはじまる恋愛ってないかも」
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おいおいおいあるんじゃねえか！！
発狂したい。窓ガラスが割れるくらい叫びたい気持ちを抑えてクッションに顔を埋め一旦吠えた。我ながらイカれてて引く。
神にも感謝だろいままでクソみたいな散々な恋愛しかしてこれなかったのはすべてこの日の為にあっただったなんて！！
クッションをボコボコに殴っていると翔太から届いたメッセージ。
“ さっき言ったこと本気で考えてみてほしい ”
最高 マジ感謝 愛は地球を救うとは正にこのこと。
考えてみてほしいってこちとら8年もそうなりたいって日々、年がら年中願ってましたからねーーー？？？
徐々に(翔太に勝った…！)という謎感情まで出てきた。
てか私でも寄せられそうな系統の女ばっかと付き合ってんなとは思ってたけど私に雰囲気が似てる女選んでたってことかよ可愛すぎるだろ、好きだわ。
すぐにでも私だって好きだったし！付き合おう！と返したい。
でもたっぷり時間を置いてこう返信をした。
“ もちろん。考えるから翔太の本気もみせてよ ”
おもしれー女って思われたい。
試合開始のゴングが頭の中で鳴り響いた。
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作者名：無色透明 | 作成日時：2023年11月23日 22時
