正直な話 (ページ19)

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体感的には3秒、いやもっと短いかも。

唇と唇が離れそれまで閉じていた瞼を開けると
視界いっぱいに映る翔太の瞳、鼻筋、肌。

鼻先が触れ合うか触れ合わないかの至近距離ははじめてで、しかも酒の勢いとはいえ自分からしてしまった行為に後悔すら感じ始めるほどだった。

私の顔どうなってたっけ
化粧直ししとけばよかった…

微妙に気まずい空気と距離に耐えられず離れようとすると
察知したのかぐっと腰を引き寄せられてまた近くなる距離。

「先にしといて逃げようとすんな」

「逃げてないけど逃げたい」

「逃げたいのかよてかそんなはっきり言うなし」

「あー！恥ずかしくなってきたかも」

ふはって余裕そうに笑う翔太とは反対に恥ずかしさで顔を両手で覆うも、「いまさら隠すなよ」ってすぐにその手は剥がされ逃げ場もなくて完全にお手上げ状態。

でもよくよく見てみると、アルコールが入っている私より耳まで赤くさせていてそれが愛おしい以外の何者でもなくて、もうどうにでもなれってありったけの力で抱きついた。

「いてっ逃げようとしてみたりくっついてみたりさぁ」

「しょーた照れすぎー」

「いちいち口に出すのうざい」

「それより私にキスされた感想ないの？」

「…この顔の赤さみたら分かんだろ、もう黙れ」

今度は冗談なんか言えなくなるくらい翔太からの深くて苦しくなるほどのキスにまた目を閉じて身を委ねた。

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