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「くるしいー息できない」
「だってさぁAからの好きって言葉8年も待ったし」
「わかる。私も8年越しの恋がやっと実るよ」
？
？？
え？
「ちょっとタイム。いまなんて？」
「Aこそ8年越しって言ったよな」
「もしかして翔太も高二から私のこと」
「鳥肌エグ…少女漫画みてーな展開やめれる？」
───
忘れもしない高二で同じクラスになって一目惚れして、
高三も同じクラスで。
「Aは男女の友情が恋愛に変わることってアリ？」
「私はアリっていうか…そういうこともあると思う」
「マジかぁ。俺はナシなんだよね友達からはじまる恋愛ってないかも」
───
「だってあのとき翔太、友達からはじまる恋愛はないって言ったじゃん！」
「あの後お前に告ろうとしてたんだよ、『友達からはじまる恋愛ってないかもって思ってたんだけどAは違うみたいだわ』って」
「気絶しそう目の前が真っ暗になってきた」
「気を確かに最後まで聞け。まだ死ぬな。で、告ろうとしたらお前が遮って『だよね私もナシな気がしてきた』とか言って帰っちゃってさ。そっからなんとなく言い出せずに8年…バカみてー」
「私も翔太も本当にバカだね」
そんなことってあるんだ。
やっと翔太の腕から解放されて俺たち遠回りしすぎたなーってまたでっかい声で笑い合った。
「失われた8年取り戻すぞ」
「どうやって？」
「プリクラ撮ったりお揃いのキーホルダーつけたり竹下通りでクレープ食べたりしようぜ」
「翔太の考える高校生デート古っ」
「おっさん扱いすんな。おし、ぜってーやってやる」
翔太が楽しそうならなんでもいいや。
機嫌が上がったり下がったり、ころころ変わる翔太を微笑ましく見守っていたら視線に気付いたのか、「今度は子供扱いしてるだろ」って。
「してないよ。可愛いなーってみてた」
「それが子供扱いしてんだよ。ちゅーすんぞ」
「いいよ」
「えっいいの？」
いいんだよ、いいに決まってる。
「もういいんだよ」って首に腕を回して私から先にはじめてのキスをした。
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作者名：無色透明 | 作成日時：2023年11月23日 22時
