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やば、視界グラっグラだし気持ち悪…いま何時…
帰ってからめちゃくちゃな量の酒を浴びるほど飲んで、睡魔がきてぶっ倒れた感じだなと仰向けのまま周りに散乱している空き缶とゴミから冷静に分析していると、廊下からガサガサって物音と人の気配。
…泥棒？暴漢？とにかく終わった。
真っ先に恐怖を感じるよりも酒で枯れて声も出ないしまず起き上がれないし。
こんな泥酔してる状態で人生の幕下ろしたくなさすぎる。最期にみた景色が自宅の天井ってなに？翔太に好きと言えないままで再会した阿部くんとのこともハッキリしないまま、知らない人に襲われて終わる人生なの？
そうしている間にも足音はどんどん近づいてくる。
家族友人そして翔太。
みんなありがとうね…
「うわっ！酒クサ！はぁふざけんなよ」
死を覚悟して閉じていたかぴかぴに乾いた目をこじ開けて、ぼやけているピントを必死に合わせる。
徐々に鮮明になって分かった見慣れたはずなのに見るたび好きになる顔。
「…しょーた？」
「声カスカスじゃん。荒れまくってんなー」
「なんできた？え、なんじ」
「3時過ぎてる。なんで来たって自分でLINEみてみろ。電車ねえから車で来たけどペーパーに運転させるなよマジで。近いからいいけどまだ心臓バクバクしてっから」
来て早々止まらない私への批判！
酒でくたばってる相手に文句垂れる元気があってすごい！
LINEをみろとのことなので開くと、
式どうだった？って翔太からのメッセージに
「元彼と再会したって言ったらどうする？」と返していて…
やってんなこれ。
我ながらやってるわ。
視線を翔太へ移すと、予想通り仁王立ちでかなり不機嫌そうに私を凝視している。
「煽ってくるじゃん」
「…覚えてないです」
「電話しても出ねえし、一か八か家来て正解だわ」
「…不法侵入コワ」
「あのさぁ…昔、Aが鍵持たせてくれたの覚えてないの、」
「すみませんそれも覚えてないです」
特大溜め息をつかれてそりゃそうなるよな、この会話の間も動く気も無く大の字でぶっ倒れてるんだから。
そして無言で散らばっているゴミたちを拾ってどんどん袋に放り込んで片付けていく翔太。おーこわいこわい。
「元彼って何番目の奴？」
「…いちばんめ。最初のやつ」
「は？よりによって
「あいつとの別れ話のときだけ泣かなかったのも覚えてない？」
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作者名：無色透明 | 作成日時：2023年11月23日 22時
