言えない私と待てない彼 (ページ27)

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〝久しぶりにあの場所へ行きませんか？ “

目黒くんから確認お願いしますと渡された書類に挟まっていた付箋。

こっそり彼のデスクがある方をみると控えめに手を振ってくるから顔が緩みそうになるのを堪えてPCに集中した。

誰かにバレるのも時間の問題だな

退社後、目黒くんを助手席に乗せて海へと向かった。

「目黒くんって車持ってるのになんで電車通勤なの？」
『……』
「目黒くん？」
『ふたりでいるときは目黒くんじゃない。』

不機嫌になると明らかに口数が減って、頬を膨らませるのは子供の頃からの癖なのかなぁって。
そんな仕草さえも愛おしく感じてしまうから恋の力ってすごいしちょっとこわくもある。

「蓮くんごめんね。」

空いてる左手で俯いていた頭を撫でてあげたら『それはずるいです…』ってケロッと機嫌が直るからこんなに単純だと逆に心配になるよ。

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