言えない私と待てない彼 (ページ26)

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「年上なのに余裕ないし小さなことで嫉妬するしまた可愛くないこと言っちゃうかもしれないし、わっ、」

『そういうところ全部、僕だけに見せてください。』

あっという間に彼の腕の中へと逆戻り

どんな顔してるか見上げようとしたら『いま色んな感情が混ざってすごい顔してるんで見ないで下さい』ってそっぽを向かれてしまった

「どんな感情？」
『うれしい、たのしい、だいすきですかね。』
「ふざけないで」
『大真面目です。好きです、Aさん』
「ちょっと、名前」
『ずっと呼びたかったんですから。Aさんは？』
「蓮……さん？」

途端に解放され、じっと見つめてくる
この何もかも見透かされそうな目、こわいなぁ

『れーん。』
「れ、ん……くん。もう勘弁して。」
『待ってくださいよ照れてるんですか？』
「シーッ！」

目黒くん、いや蓮くんの手を掴んで出てきちゃったけどまだここは会社だ。慌てて離そうとしたらグッと握り返されてしまい、『結構大胆なんですね(笑)』なんてニヤっとされた。

ムカつく。けど憎めないから困る。

12時を既に過ぎていたので自部署には誰もおらず命拾いをした。

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