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仕事終わりの帰り道、
疲れすぎて適当に済まそうとコンビニへ寄った。
カップ麺でいいか、なんて棚に並んだ商品を
物色しているとポケットに入れていたスマホが震えた。
開くと通知で(家？)の文字がみえて
いま帰り道〜と返すと
(近くにいるからいい？)って。いいよって返した。
急な連絡がくるのははじめてだったから
家に何もないのを思い出して
お酒とおつまみを買い込み急いで帰った。
翔太の家ほどは綺麗にできないけど
目に入った洗濯物や諸々をクローゼットへ押し込むと
インターフォンが鳴った。
「おつかれ」
『ごめん』
「そんなことないよ」
『ん。Aが好きなやつ』
好きなアイスやデザートを覚えていてくれて
買ってきてくれるのが地味にうれしいなぁって
袋を受け取ろうとしたら右腕を掴まれ壁に押し付けられた。
掴まれた腕の力が強くて顔を歪めると
曇った目が私を捉え、強引にキスをしてきた。
玄関で？って思ったけど
明らかに翔太の様子がおかしくて唇が離れたあと、
「アイス溶けちゃう。」
『うん』
「いつもとちがうよ」
『……』
「無理に聞かないから。話したくなったら話そう」
『ごめん』
「いいよ。私のことは好きにしていいし」
なんて冗談ぽく言ったら
あんま安売りすんなって怒りながら抱きしめられた。
結局何があったかは聞かなかったし聞けなかった。
普段通りの会話をして普段通りに過ごした。
クレンジングもスキンケアもしっかりした。
特にこちらは何もしていないけど
翔太は『ありがとう』と私を抱き枕にして眠りについた。
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作者名：無色透明 | 作成日時：2023年9月5日 16時
