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『Aって見た目通り酒強いんだ』
「それ褒めてる?翔太は、、ってえっ」
隣に座っていたから気付かなかったけど
私の飲むペースに合わせてくれていたのか、
翔太の顔はすっかり赤く染まっていた。
『ちょっと酔い冷ましてきまーす。』
ベランダへ一服しに行く翔太に続いて
私も「失礼しまーす。」と
横で一服させてもらうことにした。
年々長くなる夏のせいですぐに終わってしまうけれど、
ひんやりと吹きぬける秋の夜風が心地良くて好きだった。
「大丈夫?」
『もうしばらく飲むのいいわ。』
「残念。」
煙草に火を付けつつ
片手に3本目の缶ビールを持ってきた私をみて、
『クソっ、勝てる気しないわ。』なんて
暗い茶髪に染められた髪を搔きむしるフリをした。
「付き合ってくれてありがとう」
『はぁ、その余裕そうな顔みてると悔しい。』
「今度はゆっくりのもうよ。」
何も考えず今度は〜
なんて口走ってからすぐにハッとした。
今度ってあるのかな、いまの聞こえてたかなと
どういう表情をしているのか気になって
左を向くと彼と唇が重なった。
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作者名:無色透明 | 作成日時:2023年9月5日 16時