溶けあう、夜 (ページ3)

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『片付いてないけどどうぞ。』
「お邪魔しまーす…」

翔太くんの部屋には無駄な物がほとんどなく、
モデルルームのように綺麗であがるのは気が引けた。

「何もないね。」
『何もなくは無いだろ(笑)座って』

床と迷ったけど、
かなり存在感のある大きめなソファーに座ってみた。

冷蔵庫を開けながら
『ビールでいい？さっきのんでたから』って
あまりにも自然な流れで聞いてくるので
思わず吹き出してしまった。

あ、そんな顔してたんだ。かっこいいな。

『なに？』
「ごめん、今日会ったばかりの感じがしなくて(笑)」
『確かに。はじめまして～ってしたのが3時間前。』
「つい面白くなっちゃった」
『俺も自然すぎて普通に家にあげてたわ』

詳しく話を聞くと警戒心が強く(本当か？)
言い方は悪いけど、初対面の女の人を
自宅に連れ込んだ事はなかったらしい。

噓かもしれないけど。

「そんなこと聞いたらちょっと緊張してきたかも」
『なんでだよ(笑)』
「お持ち帰り成功ってことだし。下着大丈夫かな」
『全部言うじゃん。心の声とかない人？』
「素出しすぎてるごめん」
『いや、面白いわ。Aの話もっと聞きたい。』
「翔太がそう言うなら仕方ない」

また自然な流れすぎてお互いに呼び捨てへと
変わったことも気付かず缶ビールを開けた。

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