溶けあう、夜 (ページ16)

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「お邪魔します。」

もう何度もお邪魔したけど、いざ最後となるとこの殺風景な部屋にも愛着が湧いてたんだと実感した。
よし、馴れ初めでも聞いてさっさと帰ろう。

後ろを着いてきた翔太に早速「翔太〜、好きな人とはどこで…」って振り返ると一瞬何が起きているのか分からなかった。

「これ何のハグ？お別れの？」
『ほんっとに心の声漏れすぎだから。』
「待っていつから、どこから？」
『その前に俺の話聞いて。』

抱きしめられていた腕の力が緩まり見つめ合う形になった。
翔太、顔こわいよ。

『まず、この関係はやめる。』
「うん。だから…」

『Aのことが好き。』

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