溶けあう、夜 (ページ15)

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理解するのにどのくらいの時間が経っただろう
2人の間には沈黙が流れ聞こえるのは空調の音だけ。

ああ、そっか。

あの日のあの態度ってそういうことだったんだ。
抱かれなかったし。
好きな人、できたのかな
好きな人っていうかもう彼女なのかも。

今日でもう会うのは最後になるのか。
寂しくなるな…もっと翔太のこと知りたかったな

俯き気味だった視線を上げると翔太が目をまん丸くして驚いている様子だった。

「？」
『A、これから俺ん家寄れる？てか行こ』
「行っていいの？」
『あのさー……まぁいいわ帰ろう』

そう言って私の手を取りお店を後にした。
デートも手を繋ぐのだってはじめてだったのに無言なのが気まずくて帰りたかった。

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