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お店に着くと、チキンの匂いに食欲が一気に刺激された。
深夜にも関わらず人で賑わっているあたり、この店の人気ぶりが伺える。
さすがに、これだけの人たちに混じってチキンを食べ始めたら大騒ぎになってしまうので、私たちは店の裏口から2階に上がった。
この店の二階は半個室が5つ6つ程度ある造りになっていて、芸能人やスポーツ選手などは基本的に一階ではなくこちらに案内される。
「あー、お腹すいた」
WZ「もう俺今ならこの店のチキン食い尽くせる気がする」
「オッパが言うと冗談なのかガチなのか分からなくて反応しづらいよ」
WZ「ガチ」
「ガチか」
このオッパ、こんなに小さい癖可愛らしいのにめちゃくちゃ食べるんだよな…
２階は比較的空いているようで、私たちの他にはあと1組しかいないようだった。
こういう時、どんな人たちが来ているのか無性に気になってしまうのは、人間の性だと思う。
席に座るや否や片っ端からチキンを頼み始めたオッパを横目に、隣の半個室にいる客の様子を伺ってみる。
？？「わー、僕めっちゃお腹すいた」
？？「ヒョン、チキンはタンパク質だからいっぱい食べよう」
なんだ、両方男子か。
ん？にしても片方の人の声、どっかで聞いたことがあるような...
SC「あ、すごい！タロヒョンのチッケム、もう300万回も再生されてますよ！」
タロヒョン...チッケム...300万...
「えぇぇぇぇ！？」
WZ「うるさ...お前もメインボーカル志望か？」
「いや、あの二人の声量には勝てん」
WZ「じゃあなんだよ」
「...隣に弟がいるかもしれません」
WZ「......まじか」
「ちょっと私行ってきます！」
WZ「おい！人違いだったらどうすん...ってもう行ってるし」
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作者名：ぷらする | 作成日時：2023年12月8日 10時
