8 side SUNGCHAN ページ11
今年、長い練習生期間を経て、念願のデビューを果たすことができた。
とても嬉しいし、名誉なことだと思うが、どこかもどかしさを抱えている自分がいる。
まだ、どのユニットにも属せていない。
まだ、直接シズニに会えたこともない。
デビューこそしたものの、中途半端に浮いているような感覚なのだ。
早く、俺もNCTの一員として認められたい。
そんな思いが、日に日に強くなっているのを感じる。
ST「ソンチャナ、どうしたの？体調悪い？？」
ふいに声をかけられ、ハッとする。
タロヒョンの曇りのない瞳が、こちらをじっと見つめていた。
SC「なんでもないですよ、ちょっと考え事してて」
ST「ほんと？すっごい怖い顔してたよ、こんな感じで」
タロヒョンが眉間にシワを寄せて、睨むような表情をしてみせた。
一生懸命表情を作っているのに、全く怖くないどころか、むしろ可愛くなってしまっているのがおかしくて、つい笑ってしまう。
SC「ヒョンwwwカワウソが威嚇してるみたいwww」
ST「やー！本当にこんな感じだったんだよ！」
タロヒョンといると、不思議と心が穏やかになり、いつの間にか笑顔になっている。
太陽というよりは、ポカポカした陽だまりって感じ？
まだ出会って１年も経っていないけれど、確実に自分の中でタロヒョンの存在は大きくなっている。
この先、自分にも固定のチームができるとしたら、絶対にこのヒョンと一緒が良い。
そう思ってしまうのは、少し欲張りだろうか。
SC「ヒョン、練習終わったらご飯食べに行きましょ」
ST「うん、行こいこ〜！」
SC「何が食べたいですか？」
ST「ん〜、チキン？」
なんか毎回チキン食べてるような気がするけど、ヒョンが嬉しそうだしいっか←
ST「ここのチキン屋さんが美味しいらしくて、行ってみたいんだよね〜」
SC「お〜、よく知ってますね？」
ST「へへ、美味しそうでしょ」
SC「誰に教えてもらったんですか？(僕教えてないのに)」
ST「え、いや、誰だったかなぁ？(なんかソンチャンから圧を感じる...)」
SC「でも確かにめちゃくちゃ美味しそうですね」
ST「でしょ？あー、写真見たらお腹空いてきちゃった」
SC「よし、残りの練習も頑張りましょ〜！！」
ST「ふぅ〜〜〜！！」
その後、チキンという目標ができた僕らは、深夜とは思えないテンションでダンスの練習をした。
ちなみに、練習室の前を通りかかった他の練習生やスタッフからは、若干引かれていたらしい。
なんでだろう？？←
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作者名：ぷらする | 作成日時：2023年12月8日 10時
