恋愛対象？食害対象｡【zm】 (ページ3)

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( A視点 )
　.

　今日の体育はバスケ。

　クラスの女子から広められた噂はすぐに私のところまで届いた。

　バスケなら、まだマシかな。

　今日は猿山先生は機嫌が良かった。

　だから、体育くらい休めるやろ、と思って机に突っ伏しながら先生に

　『猿山せんせー、体育ダルいんで休みまーす』

　と宣言した。

　ちらりと私の元好きだった人を見ると、頬杖をつきながら何処かを見ていた。

　横顔かっこええねん、色白やし。

　「は？駄目に決まってんだろうが」

　私の妄想を遮るようにして先生が目の前まで来た。

　えぇ、と声を出したものの他の皆はもう各自体育館に移動してるし…。

　しゃーなし、と１人悲しくトイレで着替える事にした。

　まだ教室にゾムおったし、ワンチャン一緒に行けるやろ。

　着替えも終わって教室に戻ると、体育館に行こうとしている猿山先生に遭遇した。

　『お、先生。ゾムもう行きました？』

　私服を入れた入れ物をロッカーにしまい、ジャージの襟を直しながら聞く。

　「希ならついさっき行ったぞ～。追いかければ間に合うと思うよ」

　首から笛を掛け直す猿山先生。

　追いかければ間に合う！？追いかけます追いかけます！！

　走る勢いで階段をかけ降りると、先生に走るな～、と緩く注意された。

　『待って、ゾム！』

　私はちょっとしか変わらない(と思っている)背丈の男子を見つけて声を掛ける。

　やっぱりゾムだ！！

　上を向く彼の隣に並んで体育の話をする。

　今日バスケだってよ、と言うとマジ？と嬉しそうにしていた。

　かっこよさと可愛さを持ってるこいつはプロ。