過去のお話 ページ10
ある日突然、真昼はサングィネムにやってきた。
戦う気もなく、ただ話をしにきたそうだ。
しかし、そんな人間の話など誰も聞かない。興味も無い。
ただ、彼女は殺されなかった。
拷問をすることになった。
理由は、クルルだ。
クルルの知りたい情報を、彼女が持っているのだそう。
アシェラの情報を、持っているのだそう。
真昼「ああ……グレン…逢いたいなぁ……」
真昼はよく、【グレン】と呟いていた。
酷く悲しげで、それでいて酷く幸せそうな表情を浮かべていた。
A『好きねぇ、【グレン】』
ぼぅっとしていた真昼の瞳が、一人の少女を捉える。
真昼の表情を覗くように前屈みになった彼女の、煌めく白銀の髪が揺れる。
ここで、真昼の言葉を聞くのはクルルと、何よりこの少女だ。
クルルに似た容姿だと、初めは思った。
しかし似ているのは服装で、纏っている空気も、
考えていることも、違った。
吊り気味の鋭い目を持ったクルルに比べると、それより少し柔らかい印象を受ける。
しかし甘い赤の瞳は、やはり捕食者のように鋭かった。
人間では有り得ないばかりか、吸血鬼の中でも目を引くクルルをも勝りうる、
美しくも可憐な姿。
A･ツェペシは、女王の妹だそうだ。
真昼「……グレンは、元気ですか？」
彼女の口から、【グレン】という言葉が発せられたからか、
思わず真昼はそう口走る。
Aがグレンを知っているかも分からないのに。
元気ですか？などとどうでもいい質問。
A『ええ、元気よ』
しかし彼女は、笑いを含みながら、答えてくれた。
それに真昼は、彼女を見据え直してこう問い掛ける。
真昼「今は、何月のいつですか？」
すると彼女は笑った。
「ふふん」と傲岸に。
小さな少女から、威圧感ともとれる気配が滲む。
チリチリと、焼けるような緊張感を、真昼は感じる。
調子に乗るな、という警告だろうか。
A『貴方はいつも、時間を気にしてる。
時間制限があるのね。それも、残りはあと少し』
真昼は答えなかった。
しかし少女は、楽しげに笑う。
彼女はどうやら、人の表情を読むのに長けているようだ。
深く濃い赤い瞳は、何もかも見透かされてしまいそうだった。
後ろでカツッと小さく音がする。
それにAは、振り返り、その場を立ち去る。
入れ代わるようにこの場に現れたのは、クルル･ツェペシだった。
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アルカーヌ - はい！遅くなってしまってすみません、まだ見ていただけているならよろしくお願いします！ (2021年10月3日 10時) (
レス) id: ca02d30a4e (このIDを非表示/違反報告)
マナ - アルカーヌさん» 質問してもいいですか？ (2021年5月17日 14時) (レス) id: 6d5c9496f0 (このIDを非表示/違反報告)
アルカーヌ - 湖@清光可愛い！！！さん» リクありがとうございます！テスト期間なので更新が難しいので、気長に待っていただけると嬉しいです(T-T) (2017年11月16日 17時) (レス) id: 7e3fd42d16 (このIDを非表示/違反報告)
湖@清光可愛い！！！ - 凄く面白いです！あのリク良いですか？あの、夢主ちゃんとアシュラ(阿修羅丸)とクルルでお話をして欲しいです！後、アシュラとクルルだけでわいわいと夢主とか優ちゃん、ミカちゃんのお話をして欲しいです！無理でしたら良いです。更新頑張って下さい！応援してます！ (2017年11月8日 15時) (レス) id: 073b3b6cdc (このIDを非表示/違反報告)
ゆきりん(プロフ) - アルカーヌさん» 超絶面白いでス！クルル様とレスト様どこに行ったのかめっちゃ気になりまス！更新まってまス！ (2017年9月25日 21時) (レス) id: 3ffd7defde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルカーヌ | 作成日時：2017年2月24日 23時
