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第十話 ページ8

クローリー・ユースフォードは、昔のことを思いだしながら、

フェリドを見ていた。

彼の父親、否、自分の父親でもあるリーグは、圧倒的だった。

その強さに圧倒される。

クローリー「君、あんな化け物の血を僕に入れたの?」

リーグは誰も反応出来ないような速度でここを去って行った。

クローリーはまだ、そのことに焦りと驚きの余韻を残していた。

フェリド「うん、あれが僕らのパパだよ。声を掛けなくてよかったのかい?」

クローリー「…いや、さすがにあれを殺すのは無理だろう」

少しいつものフェリドと違う声色に聞こえた。

しかしそれは気のせいだったのだろうか。

フェリド「ふふ、難しい方がゲームはおもしろいだろ?」

すぐにその声はいつもの調子を取り戻す。

クローリー「大変すぎるよ」

ため息をつくようにクローリーは言う。

フェリドにも敵わない彼からしてみれば、難しいにも程がある。

フェリド「はは、まあまずは、第五位とか第三位とか殺して練習しようよ。
  ウルドを殺せるようになれば、父さんも殺せるはず。」

そういうフェリドに、クローリーは眉を曲げる。

そして何かを考えるように黙り込んだあと、

こう口を開いた。


クローリー「…じゃあ、A様も殺すのか?」

それにフェリドは目を開く。

盲点だった、とでも言いたげな表情だ。

フェリド「ふむ、Aちゃんかぁ…。そうだねぇ…」

クローリー「君は彼女を気に入ってるんだろ?」

過去の記憶を辿りながらクローリーは言った。

裏に何があるかは知らないが、フェリドは随分長い時間彼女を気に入っているようだった。

フェリド「そうだね。Aちゃんは、殺さないよ。可愛いからね」

クローリー「で、本当は何でなの?」

何年もフェリドといたクローリーは、扱いになれているようだ。

それにフェリドはにやにやとした笑みを、少し崩して更に笑う。

フェリド「本当だよ〜。八割は」

するとクローリーは、催促するようにフェリドを見る。

そしてその視線に気付いたフェリドは、こう続ける。

フェリド「残り二割は、わからないからさ。
  Aちゃんの考えていることと、強さ。
  そして本当のAちゃん」

あの光を映さない深紅の瞳。

獰猛な獣のような瞳孔。

周りを、壊すような異様な気迫。

それを知っているフェリドは、不思議そうな顔のクローリーを見て、

笑った。

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設定タグ:アルカーヌ , 終わりのセラフ , クルル・ツェペシ   
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アルカーヌ - はい!遅くなってしまってすみません、まだ見ていただけているならよろしくお願いします! (2021年10月3日 10時) (レス) id: ca02d30a4e (このIDを非表示/違反報告)
マナ - アルカーヌさん» 質問してもいいですか? (2021年5月17日 14時) (レス) id: 6d5c9496f0 (このIDを非表示/違反報告)
アルカーヌ - 湖@清光可愛い!!!さん» リクありがとうございます!テスト期間なので更新が難しいので、気長に待っていただけると嬉しいです(T-T) (2017年11月16日 17時) (レス) id: 7e3fd42d16 (このIDを非表示/違反報告)
湖@清光可愛い!!! - 凄く面白いです!あのリク良いですか?あの、夢主ちゃんとアシュラ(阿修羅丸)とクルルでお話をして欲しいです!後、アシュラとクルルだけでわいわいと夢主とか優ちゃん、ミカちゃんのお話をして欲しいです!無理でしたら良いです。更新頑張って下さい!応援してます! (2017年11月8日 15時) (レス) id: 073b3b6cdc (このIDを非表示/違反報告)
ゆきりん(プロフ) - アルカーヌさん» 超絶面白いでス!クルル様とレスト様どこに行ったのかめっちゃ気になりまス!更新まってまス! (2017年9月25日 21時) (レス) id: 3ffd7defde (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アルカーヌ | 作成日時:2017年2月24日 23時

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