第十一話 ページ39
優一郎の目つきが、まるで睨むように、辛いかのように変わる。
優「だから？家族なら…大事な人なら、当然助けるだろ！？」
ひどく、感情的な声。
我慢している。感情を抑えている。
気を抜いたら、暴走してしまいそうだ。
A『家族って何？大事な人のこと？』
優「ああ」
A『親は？』
そんな危険な優の状態を見透かしてなお、楽しげに続ける。
盲点をつかれたように、優一郎が言葉に詰まった。
A『君の親は？家族？大事な人？』
優「…っ親、は…」
感情を映すのすら面倒になったかのような、無機質な目。
愉しそうなその声も、どこか作り物めいている。
ミカ「…A…！」
小さめな牽制の声。
しかしそれは、逆効果のようで。
A『そんなもの。私にとって、姉はそんなもの。
ねえ、"悪魔の子"。お前は親を助ける？』
強く、叫ぶほど強く、ミカエラが私の名を呼ぼうとした。
だが無理だった。
一瞬、ほんの一瞬。
ちらりとミカエラにAの赤い目が向けられた。
それだけ。それにミカエラは怯む。
狂気だ。脅威だ。恐怖だ。
それはうるさい、と言っているだけなのだろう。
優「わからない。けど、孤児院の皆と、ここにいる家族は助ける。何があっても。」
自分を落ち着かせるように、目を閉じながら。
あるいは、孤児院の子供達を思い出しているのか。
A『再びあの悲劇を招いても？』
優「え？」
困惑の色に染まる。
くすくすくす。ほとんど音のない、殺された笑い声。
誰も何も言わない。言えない。
A『ああ、天使。守りたいものがそんなに多くて。守りきれるの？』
まるで芝居だ。
渇ききっていたはずの喉で、心で、ここまで演じてみせる。
優「守る。そのために強くなった。」
断言した。
あはは。あはははは。
まだまだ演じる。まだ続く。今は、そんな気分だ。
細まった瞳孔が、後ろで不安げに見守っていた優の家族を射竦める。
A『守り抜いてみせて？』
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アルカーヌ - はい！遅くなってしまってすみません、まだ見ていただけているならよろしくお願いします！ (2021年10月3日 10時) (
レス) id: ca02d30a4e (このIDを非表示/違反報告)
マナ - アルカーヌさん» 質問してもいいですか？ (2021年5月17日 14時) (レス) id: 6d5c9496f0 (このIDを非表示/違反報告)
アルカーヌ - 湖@清光可愛い！！！さん» リクありがとうございます！テスト期間なので更新が難しいので、気長に待っていただけると嬉しいです(T-T) (2017年11月16日 17時) (レス) id: 7e3fd42d16 (このIDを非表示/違反報告)
湖@清光可愛い！！！ - 凄く面白いです！あのリク良いですか？あの、夢主ちゃんとアシュラ(阿修羅丸)とクルルでお話をして欲しいです！後、アシュラとクルルだけでわいわいと夢主とか優ちゃん、ミカちゃんのお話をして欲しいです！無理でしたら良いです。更新頑張って下さい！応援してます！ (2017年11月8日 15時) (レス) id: 073b3b6cdc (このIDを非表示/違反報告)
ゆきりん(プロフ) - アルカーヌさん» 超絶面白いでス！クルル様とレスト様どこに行ったのかめっちゃ気になりまス！更新まってまス！ (2017年9月25日 21時) (レス) id: 3ffd7defde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルカーヌ | 作成日時：2017年2月24日 23時
