鬼(2) ページ31
A『鬼、君もつく？あれ』
突然現れた靄に驚く素振りを見せずに、Aはそれを鬼と呼んだ。
鬼〈いや、いいよ、見てる〉
クルル「…鬼？」
これが鬼なのかと、クルルは辺りに目線を移す。
この鬼は、僕らの世界と言った。
そしてアシェラが、阿修羅丸がいるということは、
ここにいる他の人は、恐らく全員鬼なのだろう。
しかしこの靄は、他の鬼と圧倒的に違った。
人の形を留めていない。
鬼〈そう、鬼。ここは僕ら鬼の世界。皆の記憶を合成させて、僕が創った。
Aの心の中とも言うね〉
音もなく、Aの心臓の位置から、鋭利を象った鬼の靄が突き出す。
痛くは無いのだろう。Aはそれに一瞥すらくれない。
阿修羅丸「…さて、行こうか？」
その靄を握り潰して、阿修羅丸が先導する。
鬼は、それに肩をすくめるような動きをしてAについていく。
鬼〈あ、そういえばさ、蕎麦は食べないの？年越蕎麦〉
クルル「吸血鬼も鬼も、蕎麦なんて食べないだろう？」
鬼〈まぁそうなんだけど。なんなら鐘をつくのもどうかと思うけどね〉
阿修羅丸「はは、それはごもっともで」
鬼〈初詣とかもするの？〉
A『神頼み…』
鬼〈今更感やばいねー〉
クルル「よく喋るなこの鬼…」
見て取りにくいが、鬼も少し楽しんでいるようだ。
A『アシュ兄は』
阿修羅丸「ん？」
A『話さない？』
阿修羅丸「あー、優と？あんまり話さないかなー」
クルル「普通はどうなんだ？」
Aと阿修羅丸は、目線だけ合わせる。
A『私がおかしい」
阿修羅丸「乗っ取るとき以外話さない奴が多いよ」
それを聞いたクルルは、Aの後ろの鬼を見る。
鬼〈だって乗っ取れないもん〉
完全に諦めきっているようで。
それはそのはず。
半分以上鬼のまま、鬼とならずに存在している吸血鬼は、Aしかいない。
クルルは知っていた。
クルルがAに入れた鬼は、いくつもの鬼を混ぜ合わせているため、
黒鬼と比にならないほど強くなっているはずだった。
だから、Aも最初は強く拒否したのだ。
今では、
鬼〈ガチ羽つきとかする？〉
A『銃弾でやろ』
鬼〈おおー〉
とても仲良くなっているようだが。
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アルカーヌ - はい！遅くなってしまってすみません、まだ見ていただけているならよろしくお願いします！ (2021年10月3日 10時) (
レス) id: ca02d30a4e (このIDを非表示/違反報告)
マナ - アルカーヌさん» 質問してもいいですか？ (2021年5月17日 14時) (レス) id: 6d5c9496f0 (このIDを非表示/違反報告)
アルカーヌ - 湖@清光可愛い！！！さん» リクありがとうございます！テスト期間なので更新が難しいので、気長に待っていただけると嬉しいです(T-T) (2017年11月16日 17時) (レス) id: 7e3fd42d16 (このIDを非表示/違反報告)
湖@清光可愛い！！！ - 凄く面白いです！あのリク良いですか？あの、夢主ちゃんとアシュラ(阿修羅丸)とクルルでお話をして欲しいです！後、アシュラとクルルだけでわいわいと夢主とか優ちゃん、ミカちゃんのお話をして欲しいです！無理でしたら良いです。更新頑張って下さい！応援してます！ (2017年11月8日 15時) (レス) id: 073b3b6cdc (このIDを非表示/違反報告)
ゆきりん(プロフ) - アルカーヌさん» 超絶面白いでス！クルル様とレスト様どこに行ったのかめっちゃ気になりまス！更新まってまス！ (2017年9月25日 21時) (レス) id: 3ffd7defde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルカーヌ | 作成日時：2017年2月24日 23時
