吸血鬼達の休憩(10) ページ27
ぱち、とようやく少女が目を開いた。
自分の周りが壊れていることに気付き、小さく、しかし強く瞳を揺らした。
レスト「お前は誰だ」
壊れたベッドから見下ろす彼は、足を私の頭のすぐ近くに置いていた。
それに少し安堵する。
これは、レストのやったこと。
崩壊の力じゃないこと。
A『…乗っ取られてない』
壊れたベッドに座りながらレストを見上げて言った。
質問にそぐわない解答だが、レストの知りたいことはそれだったため、彼も何も言わない。
ただ、それでも彼が怪訝な表情をしているのは、
きっとこれのせいだろう。
そう思って、私は頭に手を伸ばす。
予想通り、角が二本生えていた。
しかしそれは、私が触れた瞬間、溶けるように消滅する。
心のざわつきが完全に消える。
欲の少ない吸血鬼の感覚が戻って来る。
微妙な空気が立ち込める。
誰も何も言わなければ、言うこともない。
数分経ったときだろうか。
沈黙は突如破られた。
ばたん、と扉が勢いよく開き、壁にぶつかる。
扉の向こうから姿を現したのは、二人の人間だった。
グレン「よぉ、お前ら。どうせ暇だろうと思って来てやったぞ」
深夜「なにこの空間。怖ぁ」
軍服を身に纏ったグレンと深夜が、何やら紙袋片手に入ってきた。
優「グレン！お前何でいるんだよ」
グレン「さっき言ったろ？暇つぶしにきたんだよ」
そう言いながら二人が紙袋から取り出したものは、
「「「ゲーム？」」」
数人が口を揃えて言葉を漏らす。
二人が持っているのは、コントローラーと可愛い絵の描いてあるソフトだった。
グレン「リアル爆弾ゲーム」
深夜「皆の分のコントローラー持ってきたから」
戸惑う人間を置いて、吸血鬼達はそのゲームに目を輝かせる。
退屈している吸血鬼達は、人間のやっていることに少なからず興味があるようで。
フェリド「じゃあ、テレビのある部屋へ移動しようか」
良い笑顔のフェリドが立ち上がった。
グレン「これなら人間も吸血鬼も関係ないだろ？」
今回の休憩は、随分長くなるようです。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 74人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アルカーヌ - はい！遅くなってしまってすみません、まだ見ていただけているならよろしくお願いします！ (2021年10月3日 10時) (
レス) id: ca02d30a4e (このIDを非表示/違反報告)
マナ - アルカーヌさん» 質問してもいいですか？ (2021年5月17日 14時) (レス) id: 6d5c9496f0 (このIDを非表示/違反報告)
アルカーヌ - 湖@清光可愛い！！！さん» リクありがとうございます！テスト期間なので更新が難しいので、気長に待っていただけると嬉しいです(T-T) (2017年11月16日 17時) (レス) id: 7e3fd42d16 (このIDを非表示/違反報告)
湖@清光可愛い！！！ - 凄く面白いです！あのリク良いですか？あの、夢主ちゃんとアシュラ(阿修羅丸)とクルルでお話をして欲しいです！後、アシュラとクルルだけでわいわいと夢主とか優ちゃん、ミカちゃんのお話をして欲しいです！無理でしたら良いです。更新頑張って下さい！応援してます！ (2017年11月8日 15時) (レス) id: 073b3b6cdc (このIDを非表示/違反報告)
ゆきりん(プロフ) - アルカーヌさん» 超絶面白いでス！クルル様とレスト様どこに行ったのかめっちゃ気になりまス！更新まってまス！ (2017年9月25日 21時) (レス) id: 3ffd7defde (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アルカーヌ | 作成日時：2017年2月24日 23時
