吸血鬼達の休憩(9) ページ26
天蓋付きの、無駄に豪華なベッドで、白銀の吸血鬼が眠っている。
その部屋には、吸血鬼、人間含め全員が集まっていた。
優「……。これ、あいつ殺せるんじゃないか？」
君月「やめろばか優。無理にきまってるだろ」
吸血鬼が、しかも上位の貴族が同じ部屋にいながら物騒なことを言う優に、
すぐさまツッコミが入る。
レスト「やれるものならやってみればいいじゃないか。
僕に彼女を助ける義理はない。」
これもまた豪華な椅子に座っていたレストが、少し遠くにいるクルルを
視線で牽制しながら言う。
フェリド「やってみてもいいよ〜」
Aの一番近くにいたフェリドでさえも了承するが、笑顔でこんなことも口にする。
フェリド「でも、君ら死ぬよ」
刀に手をかけていた優がぴたりと止まる。
好戦的な笑顔も消える。
本当にやるのか、と優を止めようとしていた人間達も動きを止める。
フェリド「君らも鬼混じってるんだろう？なら知ってるはずさ。
鬼の世界に意識を飛ばしていても、危険が迫れば目が覚めるってね」
レスト「……ん？」
突然、優雅に椅子に座っていたレストが体を起こす。
怪訝そうに、眠っている少女を見ている。
フェリド「どうしました〜、レスト様？」
その行動を不思議に思ったフェリドも、少女に目を向ける。
フェリド「え」
フェリドはそれを見て思わず声を漏らす。
レストは既に動いていた。
豪奢なベッドの上に立ち、
Aの頭のすぐ近くを、踏み付けた。
軽く踏み付けたように見えるが、威力は絶大なもので。
遅れてベッドが壊れる。
続いて周りの床に亀裂が入る。
力の余波が、風となって吹き荒れた。
レストが足を退ける。
壊したベッドの上で、目を閉じる少女を見下ろして舌打ちをした。
正しくは、少女の頭から生えたものを見て舌打ちをしたのだ。
それは、角というべきものだろう。
白銀の髪の中、艶やかな黒が鋭く二本伸びている。
ベッドを、床をついでに壊すような衝撃をもろに受けたはずのそれは、
傷一つ付いていなかった。
￣＿￣＿￣＿￣＿￣＿
鬼の片方の角が、前触れもなくぱきん、と音を立てた。
しかしそれだけだった。
鬼〈あーあ。何で邪魔するのかなぁ〉
ん？とAは首を傾げる。
その手には、血のようなものに濡れた緋色の剣が握られている。
ゆらゆらと、実体の薄そうな剣だった。
鬼〈残念、また今度〉
傷のない角を、痛そうに撫でながら鬼が手を振った。
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アルカーヌ - はい！遅くなってしまってすみません、まだ見ていただけているならよろしくお願いします！ (2021年10月3日 10時) (
レス) id: ca02d30a4e (このIDを非表示/違反報告)
マナ - アルカーヌさん» 質問してもいいですか？ (2021年5月17日 14時) (レス) id: 6d5c9496f0 (このIDを非表示/違反報告)
アルカーヌ - 湖@清光可愛い！！！さん» リクありがとうございます！テスト期間なので更新が難しいので、気長に待っていただけると嬉しいです(T-T) (2017年11月16日 17時) (レス) id: 7e3fd42d16 (このIDを非表示/違反報告)
湖@清光可愛い！！！ - 凄く面白いです！あのリク良いですか？あの、夢主ちゃんとアシュラ(阿修羅丸)とクルルでお話をして欲しいです！後、アシュラとクルルだけでわいわいと夢主とか優ちゃん、ミカちゃんのお話をして欲しいです！無理でしたら良いです。更新頑張って下さい！応援してます！ (2017年11月8日 15時) (レス) id: 073b3b6cdc (このIDを非表示/違反報告)
ゆきりん(プロフ) - アルカーヌさん» 超絶面白いでス！クルル様とレスト様どこに行ったのかめっちゃ気になりまス！更新まってまス！ (2017年9月25日 21時) (レス) id: 3ffd7defde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルカーヌ | 作成日時：2017年2月24日 23時
