第十話 ページ2
一瞬にして、人間達の顔が青ざめるのが見て取れた。
その中優が声を上げるもフェリドに阻まれる。
そしてそんなフェリドが、冷静を、平然を装って前へ進み出る。
フェリド「これはこれは、上位始祖のみなさま。お待ちしておりました」
笑顔を作って、いつものように。
反応のない上位始祖の吸血鬼達。
フェリドは続けた。
フェリド「ロシアからの長旅、ご苦労様でした。」
スクリーン越しの上位始祖会に、割り込んで来ているようないつものフェリド・バートリー。
しかし哀れな第七位始祖。
スクリーンだから無事だったその命は、
現実では既に、上位始祖の手の中だ。
退屈なされせんでしたか？と言おうとしたフェリドの胸に、レスト・カーの腕が突き刺さる。
そのまま胴体を貫いた手が持っていたのは、今尚動き続ける
フェリドの心臓だった。
私の足元では、フェリドすらも助けようとした、哀しいくらい優しい天使を
クローリーが牽制している。
「これは彼のゲームだ。」
そう言って。
確かにゲームだ。
レスト・カーは笑っている。
血がどんどん抜けると。
しかしさして面白くなさそうに。
留めなく流れ、辺りを赤く染めていくフェリドの血と、
反比例するように弱く、途切れていくフェリドの声。
心臓を抜き取ったまま尋問を続けていると、フェリドの片目が染まっていく。
まるで模様のように。
まるで何かに喰われているように。
鬼になってきているのだ。
そしてそれに、私の胸の奥がざわりと疼く。
不穏に、喜々として。
まるで私の中の鬼が、新たな同胞を喜んでいるように。
そんな感情が外に漏れぬよう、沸き上がる感情を、笑みで塗り潰す。
鬼のコントロールを安定させる。
人知れず私が落ち着く頃には、フェリドは心臓と失った血液の一部を取り戻していた。
いつもの調子も取り戻したようで、クローリーもウルドも呆れる軽薄で饒舌な口調。
ふとウルドが目線を移す。
一人面白がっているように笑んだバスの上に座る少女を。
遠くからでも感じる、第四位始祖とは思えない威圧感。
レスト・カーにはない、
儚いが鋭い笑みに、触発の感覚。
ウルド・ギールスは微かに口元を吊り上げた。
良い暇つぶし道具を見つけたかのように。
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アルカーヌ - はい！遅くなってしまってすみません、まだ見ていただけているならよろしくお願いします！ (2021年10月3日 10時) (
レス) id: ca02d30a4e (このIDを非表示/違反報告)
マナ - アルカーヌさん» 質問してもいいですか？ (2021年5月17日 14時) (レス) id: 6d5c9496f0 (このIDを非表示/違反報告)
アルカーヌ - 湖@清光可愛い！！！さん» リクありがとうございます！テスト期間なので更新が難しいので、気長に待っていただけると嬉しいです(T-T) (2017年11月16日 17時) (レス) id: 7e3fd42d16 (このIDを非表示/違反報告)
湖@清光可愛い！！！ - 凄く面白いです！あのリク良いですか？あの、夢主ちゃんとアシュラ(阿修羅丸)とクルルでお話をして欲しいです！後、アシュラとクルルだけでわいわいと夢主とか優ちゃん、ミカちゃんのお話をして欲しいです！無理でしたら良いです。更新頑張って下さい！応援してます！ (2017年11月8日 15時) (レス) id: 073b3b6cdc (このIDを非表示/違反報告)
ゆきりん(プロフ) - アルカーヌさん» 超絶面白いでス！クルル様とレスト様どこに行ったのかめっちゃ気になりまス！更新まってまス！ (2017年9月25日 21時) (レス) id: 3ffd7defde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルカーヌ | 作成日時：2017年2月24日 23時
