第六話 ページ49
A『本当に上に乗るのが好きだね、もう』
剣を突き立てる彼を見上げて言った。
髪が斬れてしまっている。
そんな気がするが、それを確認できないほど近くに、その剣は刺さっていた。
A『そんなに守りたい？』
彼はそれに一瞬顔をしかめてから、私の質問を無視してこう言った。
グレン「何故俺を殺さない？」
A『貴方からは情報を聞き出さなきゃいけないんだって〜』
また彼は顔をしかめた。
グレン「お前なら俺を動けなくさせるだけが出来るはずだ。」
それに私は笑った。
怪しく、それでいて単純そうに、笑う。
A『そんなの、つまらないでしょう？』
するとそこで、少し離れたところから声が上がった。
ホーン「四位始祖様！！」
グレン「近付くな、でないとこいつを殺す」
さしてあった剣を、私の頭に当てる。
ホーン「くっ…人間ごときが…」
A『大丈夫よ、ホーン』
グレン「喋るな」
額に剣が刺さる。赤く、細い線が作られる。
だが私は気にせず続ける。
A『私はこんなのにやられたりしないわ』
笑う。見下した目で、声で、言う。
どうやらホーンはそれに納得したようだ。
俺様君は剣をそのままに、優に向かって叫び始める。
鬼に心を乗っ取られる、とか、力を使うな、とか。
ああもう、煩い。
私は全てを遮断するように、目を閉じた。
それで何も見えなくなった。何も聞こえなくなった。
それなら良かった。
目を閉じても、そこに見えるものなんて、なくてもいいのに。
鬼〈本当、何なの？君〉
白い世界に鬼が一人。いや、一匹。
鬼〈意識を失わないでこの世界に来るとか、君ってもしかして二人いるわけ？〉
困ったように笑っている。
鬼〈君は乗っ取れない。なら僕はなんのためにここにいる？何をすればいいんだ？〉
更に笑う。
鬼〈ねえ、君の身体を頂戴よ、ねえ！〉
表情は変えず、口調だけを少し荒げた。
手を伸ばして来る。
真っ直ぐ、額の傷に。
鬼〈ああ、君の血。本当に忌ま忌ましい。だけど凄く美味しそう。〉
私は口を開かなかった。
声を発しなかった。
この世界で話せば、現実の世界でもその言葉が反映されるからだ。
ズッ
鬼の指が額の傷に入ってくる。
痛くは、なかった。
私も手を伸ばした。
鬼の額に、同じように指をあて、血が滲むくらいに強く押す。
ドクンッ
私の鳴らない心臓が、脈を打ったのがわかった。
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アルカーヌ - マナさん» 勿論どうぞ！すみませんめちゃ遅くなってしまって……前作の質問を確認する頻度はすごく低いので、最新作に質問頂けるともう少し早く回答出来ると思います！本当ごめんなさいm(_ _)m (2021年10月3日 10時) (
レス) id: ca02d30a4e (このIDを非表示/違反報告)
マナ - アルカーヌさん» 質問してもいいですか？ (2021年5月17日 14時) (レス) id: 6d5c9496f0 (このIDを非表示/違反報告)
アルカーヌ - アニメLOVEさん» 続編の方でちょっと出しましたよ！ (2016年8月19日 21時) (レス) id: 554d654233 (このIDを非表示/違反報告)
アニメLOVE - レストカー出して〜 (2016年6月26日 13時) (レス) id: 0932c7f4ec (このIDを非表示/違反報告)
Yukito(プロフ) - アルカーヌさん» 一応ですがURL続編の方に貼っときました！ (2016年6月20日 22時) (レス) id: e014f8d942 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルカーヌ | 作成日時：2015年7月6日 19時
