最強男装少女の物語 part20

919話　予想外と予想外 ページ30

〜ツナ〜


何とか逃げる術を手にしたはいいが、いまだ実行には移っていない



理由は簡単



死ぬ気丸のビンの蓋が開かないのだ


手錠で手の不自由が利かない以前に、ツナは不器用だ


そんな彼にすぐに開けろという方が間違っているのかもしれない



ツナ「(うまく蓋が外れない・・・・・)」



一秒一秒過ぎるごとに焦りが浮かんでくる



スパナに見つかれば、最悪の場合、射殺だってありえる


だが、焦りが余計に不器用さを悪化させる




スパナ「あった」




この声にツナの心臓は跳ねあがった



ツナ「(やばっ・・・)」



スパナは黙って冷汗を流すツナを見つめる




そして、




スパナ「じゃあ、ハイパーモードになってよ。

　 えーっと・・・・武器はそこらへんにあるはず・・・」




ツナ「えぇ！！？」


思わず飛び上がりそうになるほど驚くツナ



それに対して、スパナは冷静に返す



スパナ「実際やって試すから」



ツナ「えっ いや・・・・・でも」



しどろもどろになりながら思わず疑問をぶつける



ツナ「ハイパーモードになったら・・・・オレ・・・逃げちゃえると思うんですが・・・」



この場にリボーンがいたら、呆れたこの言葉に蹴りをかましていたところだろう


だが、これにしてもスパナは冷静に返した



スパナ「逃げてどーすんの？うちの連中は強い。次は殺されるぞ」




ツナ「え？」





「スパナのいうことも一理あるな。

　Ｘ ＸＵＲＮＥＲを完成させないと、この先キビシイかもしんねぇ」






ツナ「わ・・わかったって！！ ―――――――― ん！？」


成り行きで答えてしまったが、数秒ほどして、やっと違和感に気付いた


スパナは、これまた黙って声が聞こえる方をを見つめていた



ツナ「え・・・？」



ツナも同じように視線を移し、思わず言葉を失った






リ「ただし、時間はあまりねぇがな」






ツナ「リボーン！！？」



ツナのヘッドホンの横に寝っ転がっているリボーンの姿に、今日何度目かの驚きに目を疑う



リ「ちゃおっス」



ツナ「お前いつの間に！！」



いつもの挨拶をする彼に、ツナはリボーンに触れようとすると




スカッ





手がすり抜けた



ツナ「あれ？透ける！！」



何度も確かめてみるが、結果は同じだった





ツナ「ひいっ お化け！？」




いつものおバカな答えを、あっさり否定するスパナ



スパナ「立体映像(ホログラム)だな」

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