雨あがり*Romania ページ9
謎な仕上がりになりました。ただの供養です。
※夢主/尼くん共にネームレス
※いつも通り変なところで切れます
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雨上がりの虹を見上げて、ふっと息を洩らす。この空気が、昔からなんとなく好きだった。
「あ、虹。……きれいだね」
どうやら、私の視線を辿って空にかかる橋の存在に気づいたらしい。さっきまで降っていた雨が残した、しっとりとした空気が吹き飛んでいきそうなくらいの笑顔。きれいだね、と言いながらこっちを見ているのは、わざとなのかそうでないのか——後者だとしたらとてもタチが悪いけれど。
今日もまた、何事もなく一日が過ぎようとしている。
本当は、この距離を一歩でも縮められたらと思うのに。その手に触れる理由が与えられたらと願うのに。
夕方の空が見せるグラデーションみたいに、私たちの関係はいつまでも曖昧なまま。混ざり合っているようで、本当はまったくの別物。だけど、そこに境界はない。
「ねぇ、せっかくだし、ちょっとだけ寄り道しない?」
なにがどう「せっかく」なのかは分からなかったけど、噛み締めるような言い方がなんとなく引っかかって、私は頷くことしかできなかった。こんな言い方をするのは初めて見たし、なにより、じっと夕陽が焼けた空を見つめるその瞳があまりにも真っ直ぐだったから。
寄り道、といってもどこに行くのかは見当もつかない。ただなんとなく、ある程度歩いてきてわかるのは、だんだんと人通りが少なくなってきていることくらいだ。地元の人が多いところを見ると、郊外なのかもしれない。
「どこに向かってるの?」
「んー……内緒かな」
一、二歩前を行く彼が肩越しに振り返って、いたずらっぽく人差し指を口に当てる。ただ、「もうすぐだよ」とは教えてもらえたけど。
「おいらが、昔から大好きな場所なんだ。今日はきっと、夕焼けがきれいに見えると思って」
ぽつりぽつりと、彼が話しはじめる。小さな階段を上ったついでにふと空を見上げたけれど、もう虹は見えなくなっていた。
だけどそのかわりに、夜の気配は確かに近づいてきているようだった。さっき私たちみたいと思っていた色が、上空に広がっている——ふと思った。追いかける藍と、迎える橙。この空が私たちなら、私はどっちなのだろう。
なんて考えを巡らせているうちに、彼は足を止めていた。そこはちょっとした見晴らしのいい高台のような場所で、見下ろすと赤く染まった家々の屋根が見通せた。
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箸レーゼ(プロフ) - はるまきさん» 解釈一致ですか〜!?とっても嬉しいです!こちらこそリクエスト ありがとうございました✨ おおお、受験生仲間でしたか!お互い頑張りましょうね〜💪💪 (2月19日 17時) (レス) id: 6c5dc33c86 (このIDを非表示/違反報告)
はるまき - ふへっ最高!!!!!私が思い描いていたこの4人のヤンデレが、解釈一致してたのが嬉しい!ありがとうございます!そういえば、箸レーゼ様は受験生なんですね!私もです!お互いに頑張りましょう! (2月19日 17時) (レス) id: 4feaaff581 (このIDを非表示/違反報告)
箸レーゼ(プロフ) - はるまきさん» わーーー!ありがとうございます!☺️リクエストまで頂いて…🙏✨もちろん大丈夫です!頑張って書きます〜!! (2月16日 15時) (レス) id: 6c5dc33c86 (このIDを非表示/違反報告)
はるまき - リクエスト、いいですか?「キャラがヤンデレになったら」をお願いします! (2月16日 7時) (レス) id: 4feaaff581 (このIDを非表示/違反報告)
はるまき - ふへへっヤンデレ最&高!!!(取り乱しました、すみません)皆の反応が可愛いです!(特に「こっち向いて」が好きです!)つい夢主そこ変われ、と思いました!← 全てにおいて好みです!!!更新頑張ってください! (2月16日 7時) (レス) id: 4feaaff581 (このIDを非表示/違反報告)
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