【つめあわせ】日の出を見れば愛がある【香・韓・尼・勃】

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「君が心から祝いたいって、そう思ってることを伝えてあげて。その気持ちが、きっと一番うれしいはずだよ」
「それだけでいいの？」
「うん、それだけでいいよ」

　拍子抜けしたような様子がなんだか可愛らしくて、ブルガリアがよく自慢する気持ちがちょっとだけ分かった気がした。それでもやっぱり惚気は勘弁してほしいけど。
　まだ半信半疑らしく、首をひねっては考え込むように目を閉じる。
　ブルガリアって幸せ者だな、と思った。こんなに真剣に考えてくれる相手がいるなんて。親友としても、そのことが素直に嬉しい。
　少しして、どうやら結論を出したらしい彼女が笑みを溢す。

「ありがとう。ルーマニアに相談してよかった」
「どういたしまして！ブルガリアによろしくね、……あ」

「何してんだよ」

　あ、と声を出す頃にはもう遅くて、おそらく勘違いをしているブルガリアがご立腹のご様子でこちらを睨んでいた。
　話を聞くたびにいつも思うが、この男はだいぶ彼女を溺愛している。連絡を取っておくべきだったけど、内容が内容だったから今回はしょうがないはずだ。

「相談に乗ってたのー。別にやましいことなんて無いよ」
「……お前が言うなら信じるけど」

　思ってたよりあいつから信頼されていたらしい。必要以上に疑われなくてよかった。
　ブルガリアは彼女の手を取って、さっさとこの場を去ろうと踵を返した。律儀な彼女は、おいらに小さく手まで振ってくれている。それに手を振り返しながら、街中へ消えていく二人の姿を見送った。
　おめでとう、ブルガリア。
　もったいないくらい素敵な彼女のこと、絶対に大切にしてあげなよ。

「あ、モルドバ？ブルガリアの誕生日なんだけどさ、今年は一緒に花屋でいいお花でも買おうよ。……うん、それじゃ——」

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