【つめあわせ】日の出を見れば愛がある【香・韓・尼・勃】

それはまるで＊Bulgaria ページ15

14ページ続き。勃くんだけインスピレーション湧いたので短編にしたんですが、仕上がりがめちゃくちゃ謎になりました…。
※解釈違い/キャラ崩壊要注意
※いつも通り変なところで切れます
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　自分でも、卑屈な奴だとは思う。
　俺は俺に自信がない。周りを見ればすごい奴らがうじゃうじゃいて、俺なんかはアリみたいに踏み潰されて、それに気づかれることもない。そういうもんだと言い聞かせて、なんとか自分を保ってきた。
　だけど。そんな中でも、神さまというのは慈悲深いもので。

「……あなたの瞳、すごく綺麗」

　それだけで惚れるなんて、我ながら単純すぎるとは思う。まぁ、もともと馬鹿で花畑みたいな頭なのだけれど。
　先ほどの例えをそのまま用いるなら、突然目の前に素晴らしく大きな角砂糖が置かれたようなものだ。ごちそうである、これに飛びつかないアリはいないだろう。……いや、アリの研究などしていないから、詳しいことを問われれば何も言えない。実際、俺の脳なんてものは奴らにすら負けているかもしれないのだ。
　ともかく、彼女は俺にとって、天からの甘い贈り物だった。
　口下手でなければもっと上手く仲良くなれただろうに、と後悔しまくった。今更どうにかできる問題ではないので、そこは諦めるしかないのだが。
　しかし彼女は、ただひたすらに優しく、美しく、何より可愛らしかった。

「その資料、重いだろ。……持つんだわ」
「ありがとう。優しいんだね」
「いや、これくらい、当然なんだわ……またいつでも頼ってくれていいから」

　ぎこちなく返す自分の不甲斐なさといったらなかった。
　それでも彼女は、いつだってふんわりと微笑んでくれる。これで好きにならない方がどうかしているだろ、絶対。声を大にしてでも言える。言わないけど。
　気がつけばそれとなく近くにいて、ちょっとした頼み事をされることが増えていた。
　その度に彼女は、見つけるのに苦労するであろう俺の良いところを、内緒話のように言う。
　俺のこと、そう見えてるのか。
　彼女が摘み取る部分すべてが、自分のことを言っているのではないみたいだった。間違いなく、俺に向けて言っているのではあるのだけれど、まるで別人のように聞こえてならなかった。

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