〜失いたくないモノ〜 part.2

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なんて声をかけていいのか迷っていたら
帰り道ももう半分を過ぎていた。





岩「ここ、寄ってこっか？」




いつもは素通りする公園




先輩はあたしの返事を聞かずに
中に入っていく





あ「今日はお疲れ様でしたっ、」




ベンチに座るなり声をかけた




岩「ありがと」




やっぱり元気のない先輩...




あ「先輩がいっぱい得点入れたの
___かっこよかったですっ！」




岩「えっ...」




あ「あっ、実際には見てないですよ？
___でもこれ...」




そう言って自分の携帯を差し出す




岩「今日の試合じゃん...」




携帯の画面には
今日の先輩の試合の動画が
映し出されていた




あ「登坂先輩が送ってくれたんです！
___あっ、唯経由ですけど(笑)」




あたしは立ち上がり先輩に背を向け
なんでか溢れてくる涙を必死で隠す




あ「これ実際に会場で見たかったな...」




岩「Aちゃん...」




先輩たちは
結局優勝するとはできなかった...



でも小さい携帯の画面に写し出される先輩は
誰よりもかっこよかった




あ「だってこんなすごい選手他にいな...っっ！」




後ろから先輩に抱きしめられる





岩「泣いてるの？」




あ「泣いてないです、よ？」




岩「優勝できなくて...ごめん」




あ「優勝なんて、いらないですっ...
___先輩がいてくれれば...それでいいですっ...」




龍友がいなくなってから
あたしの隣にはいつも先輩がいた



この人となら幸せになれるかも...

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