〜失いたくないモノ〜 part.2

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あ「なに...これ...なんで...？こんな...手紙なんて...」




龍友から手紙をもらうなんて
初めてのことだった




母「じゃあお母さん洗濯物干してくるわね」




お母さんは気を遣ってくれ
リビングに1人龍友の手紙を開いた




『A、ちゃんと朝ごはん食ったか？
お前のことだから俺がいなくて
寂しすぎて泣いてんじゃねぇの？(笑)


急にこんなことになってごめんな？
でも俺もう決めたんだ。
それに俺たちいつまでも一緒って
わけにはいかねぇだろ。


小さい時からお前と一緒にいて
父さん、母さんが死んだときも
隣にいてくれたのはお前だった。

俺の大事なモノはいつも失(な)くなる...

もう俺は大事なモノを失いたくないんだ。
だから...失う前に俺から離れる。


A、本当はずっと前から好きだった...
最後にそれだけはやっぱり伝えたかった


これからはあいつに幸せにしてもらえよ？
俺も遠くからお前の幸せを願ってる。
本当にこれが最後、今までありがとう。 龍友』




あ「うぅ...りゅう...とぉ...」




気づくと靴もはかずに
龍友の家のインターフォンを鳴らしていた




あ「龍友っ！龍友っ！」




何度呼んでも返事はない




母「Aっ！あんた何やってんの！」




あ「龍友がっ...龍友がいないよっ？
___お母さん...もう会えないのかな...？」




母「ちょっと！落ち着きなさいっ！
___龍友には言うなって言われたんだけどね、
___あんたに会うと辛くなるからって
___朝早くに手紙を持ってきたの。
___どこに行くかは私達にも言わなかった。
___けどね、9時の新幹線とだけ聞いたわ」




腕時計を見ると8時を過ぎていた




母「会えるかわからないけど
___後悔する前にいってらっしゃい？
___学校には連絡しておくから」




あ「えっ...お母さんっ...」




ここから駅までは30〜40分ほど
急げば会えるかもしれない




このまま会えなくなるなんて...
そう思ったら足はすでに駅に向かっていた

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