あなたが好き。３

#106 ページ6

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登坂「これ、やっぱり来て。」



そう言われて差し出されたチケット。



登坂「最後になるかもしれないから

やっぱりちゃんと見てほしい。」




「うん....ありがと。」




登坂「この場所は俺が一番よく見える席。

HIROさんにお願いして貰った。

LIVE中はもちろん移動もあるけど、

なるべくこの席からも

見える位置にいるようにするから。」





「そんなことできるの？」





登坂「リハやっててもさ、

本番になっちゃうとみんなわちゃわちゃ

全然違う動きとかしちゃうから大丈夫。笑」




「そうなんだ〜！

エリーとか結構自由そうだもんね〜」




彼はコーヒーを一口飲み再び口を開く





登坂「そういえばさ....

隆二、彼女できたって。」




「うん、聞いたよ。」




登坂「そっか....」




「今日は泊まっていく？」




登坂「いや、明日も早いから帰るよ。」




「そっか....」




登坂「Aの心の中に隆二がいるのはわかってる。

でも、そういう顔をされると錯覚を起こす。

やっぱり俺のことが好きなんじゃないかって、

ま、俺としては嬉しいんだけどさ。

....じゃ、行くわ。」




「….LIVEがんばってね」




登坂「Aのその言葉がやっぱ一番効く」




振り向かずに彼はその言葉を残して

玄関のドアを閉めた。

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