どうぞ、お姫様！あなたは運命の赤い糸を信じますか？

♯ ページ3

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夜の月が綺麗な日の出来事。









ゼルド「A！今、少しいいか？」


A「なに、ゼルドリス？」









Aは読んでいた本から目線をゼルドリスの方に向ける。

すると、ゼルドリスはAの手をいきなりつかみ、歩き出した。









A「えっ、え？ちょ、ゼルドリス？？」


ゼルド「……」









…ｽﾀｽﾀ…









しばらくの沈黙が続いた。

それを壊したのはゼルドリスの声だった。









ゼルド「なぁ、A」


A「な、なに？」









その場で立ち止まったゼルドリスはAと向き合うような感じになる。









ゼルド「Aは……グロキシニアが好きなんだろ？俺のこの気持ちは、迷惑になるとはわかってる……でも、どうしても伝えたいんだ。」









ゼルドリスはそこで一度言葉を区切る。

Aは一瞬驚いたような顔をした。









ゼルド「Aのことが好きだ。もう、好きなんて言葉じゃ収まらないほど……。迷惑だったよな、お前はグロキシニアが好きなのに……ごめんな、今のは忘れてくれ。」









ゼルドリスは悲しそうに笑うと、そのまま去ろうとした。

そんなゼルドリスの袖をAは慌ててつかんだ。









A「待って！あ、えっと……」


ゼルド「A……？」


A「ゼルドリス、私ね＿＿」









彼女の声は、まるで闇に飲み込まれていくようだった──。

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