テスト ページ7
Side Ryosuke
キーンコーンカーンコーン、授業開始の合図を告げるチャイム。
今回のチャイムは授業ではなく、テスト開始の合図だ。
「終わっても寝ずに見直しだぞー！」
どうも、山田です。
ぶっちゃけ言っちゃうと、テストの時間って結構暇なんだよね。
JUMP高校のみんなは本当にいい子たちばっかりで、カンニングの心配もないし...暇だなぁ。
教卓に座り、無意味にテスト用紙を凝視する。
あ、これ中島先生のテストだ。悩んでたのを手伝ったりしたから覚えてるんだ〜。
...やっぱりバランスいいなぁ。難しい問題と易しい問題の比率が完璧だ。
流石だなぁ、尊敬するなぁ、とうんうん頷いていると生徒の一人が『ぷっ』と吹き出した。
「こーら、集中。」
...あんまり変なことして生徒たちの集中乱しちゃったらいけないし、じっとしてるか。
...
......
.........
............Zzz
※寝ました
〜〜〜〜〜〜〜〜5分後〜〜〜〜〜〜〜〜
ガラララッ、と教室のドアが開く音で目を覚ます。
...あ、寝てた。昨日はおそくまでゲームしてて、ってあれ？
「ゆーと？」
「失礼します。問題文の訂正が1か所だけあったから書いておきます。」
あ、そっか。これ、ゆーとの作ったテストだから、教室回らないといけないんだ。
教壇に立って、黒板にチョークを打ち付けていくゆーと。かっこいいなぁ。
しばらく見つめていると、不意にゆーとがこちらを向き、ほっぺを袖で拭くようなしぐさをしてきた。
吊られて思わず同じポーズを取ると、寝てる間に垂れたのであろうよだれが袖につく。
「あ...」
ほんの一瞬ゆーとが「ふはっ」と笑うと、真面目な顔に戻り生徒たちに説明を始めた。
「...というわけで、しっかり問題文読めば読み解けるはずだから、最後まで頑張ってね！」
失礼します、と言って扉を閉めるゆーと。
最後に一瞬目が合った気がする。やっぱりかっこいいなぁ...
...じゃなくて！！仕事中！寝ぼけてないでしゃきっとしなきゃ！
「はーい、中島先生の言う通り最後まで頑張れよ〜っ」
〜〜〜〜〜〜〜〜テスト終了後クラスLINE〜〜〜〜〜〜〜〜
〇〇寝起きの山田先生思考回らないのもはや才能だろ。中島先生イケメンすぎるし。
□□あれで付き合ってないんでしょ...?信じられないんだけど...
△△今年の文化祭で必ずくっつけるよ!!
全員おーーーーっ!!!!
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作者名：しゅーた | 作成日時：2020年12月18日 16時
