佐藤さんは双子です。２【HiB】

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教室に行けば、わたしの机に何やら写真と文字が。


それは白のポスカで書かれた《紫耀に近付くな》の文字と、前日の出掛けた写真。


同じバスケ部の子は居ても見て見ぬ振りで。


違うクラスの綾乃にも頼るなんて出来なくて。


周りの目なんか気にせず布巾を濡らして文字を消した。


午前中はそれだけで終わったけど、地獄は午後だった。






綾「あれ？A昼練しないの？許可もらってきたよ」



『んー、今日はいいかな』



綾「じゃあ先輩に部室の鍵渡してくるから」






いつもしてる昼練も、乗り気になんなくて。


綾乃にまで伝わってはいないということを知って少しはほっとした。


昼休みも終わって午後の最初の授業は体育。


更衣室には入らせてもらえなくて仕方なくトイレで着替えする事に。






「〜だから大丈夫だって」



「紫耀くんに手出したからこいつが悪いって」






あ、ヤバいって思った時にはもう遅かった。


上から降ってくる大量の水。


制服も体育着もびしょびしょ。


唯一体育着の下にあったケータイだけが無事だった。


声が聞こえなくなって後、誰かに連絡しようと思ったけど家族には迷惑をかけたくなくて。


どうしようか悩んだ時にかかってきた電話。


相手は紫耀くんで。


取りたかったけど、迷惑をかけたくなかったから、足枷になりたくなかったから切れるのを待った。


そこから午後の授業は全く出ないで、制服が乾くのをただひたすら待つだけだった。





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