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貴方.
『……二人が期待するようなことは何もなかったけど、』
知「けど?」
あたりを確認してから、また一段と声を潜める。何かを察した二人は、そのまま私との距離を縮めた。何か分からないけど、大まかな事情は知ってるっぽいな……
「涼介の家に泊めてもらった」と言えば、侑李は目をちょっとだけ見開き、私を見つめる。
知「……それで、何もなし?」
裕「いや〜……ね、流石にね?」
『何もないよ、それは本当に。……返事はしたけど、ちゃんと』
知「なんて言ってあげたの?」
『……私も、好きって』
ぽつりと呟いた言葉に、我ながら恥ずかしくなる……徐々に熱を持つ頬に手を添えると、裕翔はガールズトーク中の女の子みたいに楽しそうに笑った。「何かいいねぇ」なんて、どこか嬉しそうだ。
知「そっか、だから服まで借りて……まあ良かったよ。おめでとう」
裕「晴れて恋人同士ってことだもんね!おめでとう!」
『あ、ありがと……そっか、恋人か、』
知「……あんまり自覚ない感じ?」
ペットボトルの蓋を開けた侑李に、「そりゃあね」と返す。付き合ったとは言え、まだそれらしいことは何もしてないし……長年仕事に燃えすぎて、恋愛と呼べるそれを経験していないのもあるかな。
誰かを好きだという感情もあんまり分からないし……それでも涼介を大切に想う気持ちは、嘘じゃないから。
知「……じゃあさ、今度はAが何かしてあげたら?」
『へ?』
知「恋人らしいこと」
「いっつも想ってくれる涼介にお返しだね」と呟いた侑李は、にっこりと微笑んだ。……何だか嫌な予感。
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流星(プロフ) - showtimeさん» はじめまして!コメントありがとうございます(^_^)どちらも読んでいただけているとのこと、とても嬉しいです…!私自身少し見切り発車で書き始めてしまったので、お気遣い本当に有り難いです( ; ; )(笑)今後ともよろしくお願いいたします! (2021年8月17日 0時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
showtime(プロフ) - はじめまして!昨日から紅一点を読ませていただいてこちらも気になり読ませていただきました!メンバーそれぞれの雰囲気といい話の展開もとても読んでいて楽しくて最高です!!^ ^並行で大変かと思いますがどうか気負いされませんよう、、願っております!笑 (2021年8月16日 16時) (レス) id: cbd3c1c59a (このIDを非表示/違反報告)
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