恋人希望《 Ryosuke.Y 》

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涼介.



知「……涼介、飲みすぎ」

涼「ん〜……明日、オフだからぁ」

知「それにしてもだよ」




烏龍茶のグラスを置いた知念は、いつの間に頼んだのか、お冷のグラスを俺に渡す。

そんなに飲んでるっけ……俺が弱いだけなんじゃねえ？なんて言えば、「それもそうだけど」と笑う知念。カシオレくらいしか飲んでないはずなのになあ。Aちゃんなら、ビールは何杯でもいけちゃうだろうに……はっ、




涼「……何か俺ばっかり、Aちゃんのこと考えてんの嫌だなあ」

知「何を今更〜。ずっとそうだったじゃん、一方通行」

涼「一方通行言うな」

知「事実でしょ」




まあね……Aちゃんは、芸能界屈指のヒロインだから……色んな人にモテるし、軽くとは言え番組内や雑誌のコーナーでラブコールをされた回数は数え切れないほど。本人が全く取り合わないだけで、ひとつひとつに応えていたら結婚なんて簡単にできたんじゃないのかな。




知「見てるだけで幸せ〜ってやつじゃないの、ガチ恋って」

涼「そりゃあそうだけど……触れられる距離にいてそれは難しいだろ、」

知「……涼介、何か変わった？」

涼「え？」

知「今まではそんなこと言わなかったよ」




Aちゃんは可愛くて、綺麗な人。踊るときやお芝居のときに見せる表情の全てが魅力的で……俺も見習いたいと思った。それ以上でも、それ以下でもなかったのに。

Aちゃんに触れて、抱き締めて……ずっと遥か遠い世界の話だと思っていたのに、初めて明確に、彼女を手に入れたいと思った。

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