90. pink × lips ページ40
貴方.
知「……ねぇ、ずっとこうしていられたら良いよね。僕、Aとずっと一緒がいい」
『え、相思相愛じゃん』
知「茶化さないで!……Aのこと大好きなんだよ、ほんとだから」
.
知「……これ、めっちゃいい匂いするね」
『ほんとだね。……あ、でも舐めても甘くはないからね?』
知「流石に分かるよ」
「そこまで馬鹿じゃないからさ」と穏やかに微笑む侑李は、自分で選んだというピンクのリップと、控えめなラメが混ざったグロスをテーブルに置いた。
リップといえば、メイクの中でも特に顔の印象を華やかにするもの。自身のメンバーカラーであるピンクだけど、「Aに似合うから選んだの」と釘を刺されたっけ。
知「……何かやだな、目瞑っててくれる?」
『え〜……真剣なちぃちゃんの顔を拝めるかと、』
知「ガッタガタになっても知らないよ」
『……仕方ない』
きゅ、と目を瞑れば、唇にひんやりとした感触。右へ左へ、丁寧に塗られていくそれは、目を閉じているからこそより甘い匂いを発した。何だろう、お花の匂いかなあ……
ツンツンな侑李は、滅多に甘えてくれない。珍しくお酒を飲んだ後とか、そんなときしか……だからこそたまに聞ける「大好きだよ」は破壊力抜群で、耐えられる人なんていないと思う。
知「……うん、いいかも。確認して、」
『おお……可愛い!綺麗だね、発色』
知「でしょ。僕の色だからね」
『……やっぱりメンバーカラー意識してるじゃん』
私の顎を持ち上げて、所謂顎クイをしてみせた侑李は、「何のためのホワイト担当なの?」と挑発的な顔をした。何だこれ、ときめく……!
いつまで経っても可愛い最年少だから、かっこいいことをしてもどれも可愛く感じられてしまって。じっくりとリップの発色を確認する姿も、きゅるんきゅるんな瞳のおかげか愛らしい。
私の担当カラーがホワイトなのも、皆の色に染まるためだもんね。なんちゃって!
91. orange × tiara→←89. light green × eyes
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