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貴方.
雄「わあ、……これ有岡くんが後から見たらやばくない?」
裕「オンエアで確認だもんね」
薮「暫く口聞けないんじゃない?」
『……そこ!ごちゃごちゃうるさい!助けて!』
しっかりと催眠術にかかってしまった大貴は、私を抱きしめて離さない。それどころか、空いた方の手で私の頭を撫でながら、「可愛い」だの「好きだよ」だの……普段からは考えられない甘い言葉を囁き始めた。
大貴って、好きな人とか彼女にはこうなるの?!見ちゃいけないものを見てる気がして、余計に照れるんだけど……
大「……A?こっち向いてよ」
『えーっ、とぉ……』
大「何で俺の方向いてくんないの?俺はずっとAのこと見てるのに……」
『あ、はい、スミマセン……?』
薮「……ふっ、」
「何であいつが謝ってんだよ」とおかしそうに笑った宏太。全部聞こえてるからな……?今すぐにでも睨んで言い返してやりたいけど、目の前でうるうると私を見つめる大貴が、それを許してはくれない。
抱きしめる力が少し緩んだかと思えば、手を握られ……熱のこもった視線に、顔が溶けそうな気分だ。
大「……A」
『な、何でしょう』
大「好きだよ、だーいすき。Aは?俺のこと好き?」
『へっ、』
大「聞かせて?」
甘ったるい声のトーンに、もうどうにかなってしまいそうだ。あと少し近付けば触れてしまいそうな唇に、しっかりと掴まれて離せない右手。カメラマンさんやスタッフさんに助けを求めることさえ、頭が回らなかった。
ぎゅっと目を瞑って、視線を合わせないように。「好きだよ」と振り絞れば、また優しく抱きしめられて。
大「うん、俺はもっと好きだよ」
『それはどうも……』
涼「……もう!離れて!」
ずっとずっと隣で頑張ってきた同期の、こんな姿を見るなんて……!その衝撃の方が大きかったせいか、恥ずかしいという感情は若干薄れた気がする。
ただメンバーは大慌てらしく、催眠術師の方が即座に術を解いてくれた。……何でもっと早く解いてくれなかったんだ?
大「……え」
『もうほんと……かからないでよ、催眠術……』
大「え、ま……え?おれ、Aに?」
大困惑状態の本人に、涼介だけは「絶対に許さねえからな」とご立腹で……何だろう、驚きすぎてもう疲れたんだけど……
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