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雄也.
雄「A、寒くない?俺のジャケットいる?」
『ん〜、平気平気〜……あついくらい、』
雄「飲んだら暑くなるの分かるけど……風邪引いても困るから着てて、お願い」
『雄也のお願いなら聞いちゃう……』
雄「……ふは、いい子じゃん」
「ほんと?いい子?」なんて、目をキラキラさせながら聞いてくるA。肯定の意味を込めてその頭を撫でてやると、気持ちよさそうに目を伏せた。……何だほんと、可愛いなこいつ!
素直にジャケットを羽織ったAは、こてんと俺の肩に頭を預けた。素でやってるんだから、薮くんとか光くんが不安になるのも分かる……これじゃあいつどこで手を出されたっておかしくない、
『ゆーや、いい匂い……』
雄「……自分じゃ分かんないけど、そんなに?」
『うん……いい男の匂い』
雄「え〜……Aは、俺のことかっこいいって思ってくれてんの?」
『んん〜?』
……酔っ払い相手に、何で本気になって聞いてるんだろ。Aはお世辞とかそんなものなしに、俺たち全員を褒めてくれる。「こんなにいい男揃いのグループで」「一番とか決められない」と、いつだって真剣に言ってくれるから、俺たちもかっこいいアイドルでいられるんだよなあ。
ゆっくりと頭を起こしたAは、俺の目を真っ直ぐに見つめる。
『……私ねぇ、雄也がいっちばんかっこいいと思ってるよ、ずっと』
雄「またまた……」
『ほんと!ほんとだもん……一番憧れてたし、……話すのもドキドキしてたよ?』
雄「有岡くんも言ってたね、それ」
どんどん酔いが覚めていく。確かに以前から「ワルっぽい雰囲気に憧れてた」とか言ってくれてたけど、当時の俺からしたら怖がられてると思ってたんだよね。ちょうど役作りでヤンキーっぽくしてたし、
『かっこいいよ、……今も昔も、ゆうやがいちばん、』
ふにゃ、と笑ったAに、柄にもなくドキッとした、なんて……山田じゃあるまいし。そう思っていても、芸術作品のように綺麗な顔が、子供みたいな笑顔を見せる。男なんて、それくらいのギャップで簡単に落ちるものだから。
……まあ、今日だけは、アルコールのせいにしよう。全部全部、酔っ払いの戯言なので。
雄「……俺も、Aが一番可愛いよ。今も昔も、ね」
俺の腕の中で眠るお姫様に、そう囁いたりして。……俺も山田と変わんないね(笑)
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