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貴方.
伊「……俺ら隣で歯磨くことあんまないから、何か変な感じすんね」
『ほお？』
伊「あ、ごめん無理に話さなくていいよ(笑)」
ベッドから洗面台の前に移動して、隣り合って歯ブラシを咥える。一足先に磨き始めた私を見て、慧はいつものふにゃふにゃな笑顔を見せた。
今回のテーマは「男女の友情」らしく、パジャマパーティーのような雰囲気の撮影。肌触りの良い部屋着は着ているだけで心地よくて、ベッドに座ってるときは寝ちゃいそうだったな……
伊「……かわいいね、A」
『ん、ありがと〜』
伊「何で少しも動揺しないわけ？！」
『慧のそういうところはもう慣れました！』
大体、ただ歯磨いてる人に「可愛い」は嘘でしょ……そんなこんなで撮影が終わり、そのまま口をゆすいだ。ここからはインタビューで、その様子も誌面に載るらしい。気を抜かないようにしなきゃね。
男女の友情ね……私たちはちょっと特別な気がするけども。
「早速本題に入りますが……伊野尾くんとAさんは、男女の友情は成立すると思いますか？」
伊「僕はねぇ……微妙！時と場合によりますね、個人的には」
『え、私はすると思います。じゃなきゃ私、今頃JUMPにいませんよ』
伊「いやそれはそうだけどぉ、」
『まあ人にもよるけど……私の場合はですよ？完全に彼らとノリとか性格が一致したおかげで、気の合う友達になれてますね』
「凄く仲良しですもんね」
「さっきもかわいいねなんて言われてましたし」と、少し揶揄うように私を見つめた担当者の方。あれは本当にいつも通りのことなんだよなあ……ファンの子は分かってくれるけど、やっぱり変？
『慧は生きとし生けるもの全てに可愛いって言いますよ。うちのメンバー相手にも』
伊「それはお前言いすぎ」
『だから彼の本気の可愛いは分かりませんね』
伊「Aは全部嘘でしょって言うんです。酷くないですか？」
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