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貴方.
「ほんとにいいの？行かなくて」
『……うん』
「あーあ、そんな真っ赤に腫らして……」
相変わらず私のそばにいてくれる黒尾くんは、泣きすぎて真っ赤になった私の瞳や頬を、心配そうに見やった。
私も頑張らなきゃ置いて行かれる……そう思ったあの日から、いつか必ずこの想いを伝えようと決意を固めてきたけれど、とりあえずは春高が終わるまで秘密にしようと決めた。
でも、そうしている間に春高本番を迎えて、バイトはだいぶ前からお願いして休みをもらっていたから、心置きなく応援に来れた。けど、
勝利があれば、敗北もあると、ずっと前から分かっていたのに。
『客観視すると、寂しくなっちゃって……あっという間だったなあ、これまで』
「そうだなあ……これで研磨たちも引退かって、そう思うと余計になあ、」
『……引退かあ。もう一年経つんだね』
音駒は2回戦で敗退し、烏野は3回戦で終わった。もちろん本当に熱くて最高の試合を見せてもらったし、たとえコート横のベンチに座れなかったとしても、何も後悔はない。
ただ、研磨くんが引退するということは、私たちを繋ぎ止めてくれていたバレーという存在が、当たり前ではなくなってしまうことを意味していた。
必死に頑張っている彼らを横目に、私は自分のことばかり。
不純な動機を抱える自分に、何もかも嫌になってしまったというか、恥ずかしくなったと言うべきか。今はとにかく、研磨くんの視界に入りたくなかった。
「……Aちゃんもさあ、大概潔癖だよね」
『へ？』
「学生なんて、もっといっぱいいっぱいでいいでしょ。恋愛だってそうじゃん、もうちょっと自己中になっちゃいなって」
『……わたし、もう十分自己中だよ』
「どこが？」
『研磨くんと前みたいに会えないかもって、そんなことばっかり考えてる』
目を丸くさせた黒尾くんは、やれやれとでも言いたげに息を吐いては笑った。
「会えないわけがないでしょ、研磨がそうさせないって」
『私が他校のマネージャーだったから、先輩だから、仲良くしてくれてただけで……』
「Aちゃんってそんなネガティブだった？」
『もう分かんないよお……』
疲れるのは嫌いだと話す君の、「負けたくない」という感情が溢れた横顔が好きで。それはごくたまに、特別な試合の最中にしか見られなかった。
『……なんか、わたし、失恋したみたい』
入り込む隙なんて、やっぱりなかったのかもしれない。
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ピンス(プロフ) - ナンパ？から研磨が手を引っ張っていく所ドキドキしました！面白いので好きです!続き楽しみにしてます‼︎ (3月16日 8時) (
レス) @page41 id: a7fb103bed (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - 海月そよ@モチベ低下中さん» はじめまして！ありがとうございます（ ; ; ）嬉しいです…のんびり更新ですが、先日映画を見たばかりで書きたいものが溜まっているので、これからも楽しみにして頂けると嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (3月6日 23時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
海月そよ@モチベ低下中(プロフ) - はじめまして。お話の展開がテンポ良くて読みやすいので好きです!続きが気に成ります… (2月21日 7時) (レス) @page37 id: e95fda6ae2 (このIDを非表示/違反報告)
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