愛されプリンセス《 HSJ 》

31.てきとー ページ31

貴方.



『慧ってさ〜……』

伊「なに？悪口？」

大「ぶっ」

伊「ちょっと大ちゃんってば〜」




私の真似をしてか、女の子っぽい口調で大貴に話しかける慧。いやまあ、流石に悪口ではないけど……慧がそう思うならそうかもね？なんて、首を傾げてみせれば「何それ」と楽しそうに笑った。




『いやさぁ……めざましとか、他の現場で一対一で会うと、めちゃくちゃかっこよく接してくるんだよね。あれなに？』

大「え、伊野ちゃん猫被ってんの？」

伊「あれ、大ちゃんはAが俺をかっこいいって表現してくれた事実に関しては無視しても良いんだ？」

大「悔しいから聞こえてない」




こうして三人で楽屋でお弁当を食べるのも中々ないし……何かこう、全体的に雰囲気がゆるくてリラックスできるというか。苦手な梅干しをさり気なく私に食べさせる大貴は、昔から変わらない。




『大貴見てると安心するんだよね〜、どこの現場でも変わらないから』

大「どういう意味だよ」

『そりゃ可愛いじゃん、30歳にもなって私に梅干し食べさせるくらいなんだから』

大「ぐ……」

伊「あは、もうすぐ30歳を迎える同期に言われてやんの〜」

『うるさい！』




男性の30歳なんてまだまだこれからじゃん！大貴に関しては年取らないし寧ろ年々若返ってるレベルなんだから！！

本日ニつ目の梅干しを掴んでそう言うと、二人は楽しそうに笑う。「Aだってそうじゃん」「だよなあ？」なんて、あの頃から変わらないノリで。

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