愛されプリンセス《 HSJ 》

11.ぎゅっぎゅっ ページ11

貴方.



『……ぐえっ、ちょ、何、ひかる、』

光「ん〜」




次のシーンに入るまでの間、割りと念入りに振りを確認していた私の肩にずしりとした重み。振り返らずとも分かったけれど、その相手は光で、私は今かまちょとやらをされているらしい。知らないけど。




『重いんだけど〜……どしたの？お腹空いた？』

光「Aには俺が腹減ると絡んでくる人に見えてたの？」

『いやぁ、何となく。珍しいじゃん、光からくっつきに来るの』

光「そう？」




私の肩に体重をかけて、後ろから顔を覗かせてくる。まあ一応手加減はされてるから、そんなに重くないけど……光や宏太は、どうも私のことを小さな妹のように思っている節がある。他の年上メンバーはそうでもないのに……娘のような扱いをしてくる二人は、まとめてだと対応が大変だ。

男性とご飯にでも行こうものなら勝手にマネージャーさんに送迎を頼み、本当に何もないと弁解しても少しの間は聞く耳を持たない。まあ、心配してくれてるんだろうけど……




光「今回のダンス難しい？」

『まあ……でもキャッチーというか、覚えやすい振りにしてくれてるからさ。そんなに大変じゃないよ』

光「そっかそっか」

『……もしかして心配してくれてたの？』

光「はぁ〜？！」




「んなわけあるか！」と私の頬を摘む光。どんな照れ隠しだよ……そう思うと笑いが止まらなくて、猫が嫌いなのに猫っぽい、ツンデレなところも可愛いなあと思った。

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