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貴方.
小「好きな子には、っていうか、Aちゃんにはって感じやな」
佐「その方が凄いでしょ！あの誠也くんですよ？」
『どんなイメージ持たれてんの、せーちゃん……』
確かに怖い人やと思われがちやけど、ああ見えて心開いたらめっちゃ懐くし。仮にも年上の人にこんな言い方が合ってるんか分からんけど、まあほんまに懐いてるから。
小「まあ腹立つから教えたらんけど。なんやねん、可愛い幼馴染みまでおるんずるいやろ」
佐「小島くん、そういうとこちゃう？誠也くんが警戒すんの」
小「どういうとこやねん」
『あー……確かに。小島くん、めっちゃ普通に可愛いとか言いますもんね』
佐「やんなあ？Aちゃん可愛いのは分かるけど、な？」
『……佐野くんもやけどな』
「流石アイドルやわ」と言えば、佐野くんは目を丸くさせて、パチパチと瞬きを繰り返した。
あ、なんか佐野くんって犬みたいやなあ。可愛らしい男の子って感じ、あんまり同い年に思ったことないけど。
佐「いやあ、流石にプライベートまではアイドルせんよ？ほんまに可愛いと思って言うてんけど」
小「……俺、ここまでではないやろ？Aちゃん」
『そうですねえ、小島くんのがマシやわ』
佐「なんで！？」
『佐野くんに褒められると、なんかむずむずする』
佐「それは多分俺関係ないやんか！」
なあんでよ〜、なんてふにゃりと笑う佐野くんに、私まで笑顔になる。初めて話したとは思われへんほど話しやすいのは、やっぱり天下のアイドルやから。コミュニケーション能力が高すぎるんよ……
小「まあでも、誠也くんの本音を確かめたいんやったら協力すんで。他に頼める人おらんやろうし」
佐「うーん、俺は何も出来ひんやろうけど、楽しそうやから協力する！」
『本音……？なんか怖いなあ、それ』
小「面と向かって話されへんこともあるやろ？それを引き出すだけやって」
『そんな簡単に……』
私の人生丸ごと、ほぼ毎日にせーちゃんがおったと言っても過言ではない。そんな、家族同然みたいな人の本音を確かめるなんて、かなりの勇気が必要な気がしてきた。
それやのに、目の前におる2人はなんてこともないように笑っていて、不安どころか何の心配すらしていないように見えた。
小「そうと決まったらとりあえず誠也くんを焚き付けるしかないな」
『たきつける……とは？』
小「まあ、挑発行為みたいなもんや」
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作者名：流星
| 作者ホームページ：https://twitter.com/sst__05
作成日時：2023年5月16日 0時
