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末澤.
小「ほんまに何もせんかったん！？」
末「うるっさいなあ！声でかいねん」
小「こんなん声でかくもなるやろ！」
あまりにも大きな声で話すもんやから、リチャと正門が「どうしたん？」とでも言いたげな顔で俺たちの方を見やる。
何もせんかったのは、ほんまにその通りやけど。そういう雰囲気にもなってないし、てか俺とAの関係なんやから、今までやって添い寝こそしてもその先は何もなかった。
末「……それより、よくもまあAをあんなベロッベロにしてくれたな？」
小「ちゃ、……ちゃうやんか！ほんまに俺止めてたし！意外にAちゃん言うこと聞かへんねんて！」
末「ちょっと頑固やもんな、あいつ」
小「……すぐマウント取るんやから。やってられへんわ」
「酔っ払ったおかげであんな可愛かったのにな？」なんて、わざとらしく俺の顔を覗き込む小島。ほんまにこいつは、何から何までうるさいな……
とはいえ、可愛かったのは事実で。そらいっつも可愛いけど。あの日は違うベクトルの可愛さやったと思う。
Aが潰れたから迎えに来てくれ、そんな小島からの電話に慌てて家を飛び出した。テーブルに突っ伏して眠るAは、今までに見たことがないほど酔っ払ってて、こんなんになるまで飲んだ理由を知りたいなんて思うほど。
しかも口を開けば俺の話ばかり。最早口に出すのも恥ずかしいような、甘すぎる可愛い本音のようなものに、口角が中々下がらんくて困った。
小「……なー、あそこまで言うてるんやし、もう誠也くんから言うたったらええやん。両想いやろ？どうせ」
末「…………やとしても、Aの将来まで貰う権利ないやろ。俺に」
小「はあ？この期に及んでまだそんなこと言うてんの？Aちゃんも同じようなこと言うてたし」
末「……似たもん同士やなあ」
小「やかましいわ」
「のろけんなや！」と悪態をついた小島やけど、別にのろけたつもりもなく。
今付き合ったとして、どれくらいの間そばにおれる？もしも周りにバレたら？近しい人だけで済めばええけど、俺の職業的にそうもいかん。そうなったとき、1番傷付くのはAやから。
守りたいときに、守ってあげられへんかもしれん。
そう考えたら、現状1番近くにおれる今の関係がベストやった。ずるいかもしれんけど、でも、こうするしかないやん。
佐「……じゃあ、俺がもらってもいいんですか？」
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作者名：流星
| 作者ホームページ：https://twitter.com/sst__05
作成日時：2023年5月16日 0時
