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貴方.
佐「AちゃんAちゃん、」
『ん？どうしたん？』
佐「俺は？」
『……へ？』
小島くんと言い合っていたかと思えば、急に私の方を向いた晶哉くん。きゅるっとした瞳は、女の子としては羨ましく感じてしまうくらいに水分量が多くて、何もしてなくてこれなんや……なんて、軽く嫉妬レベル。
どういうことやろう、そう思って見つめ返せば、晶哉くんはふわりと柔らかく微笑んだ。
佐「俺は、かっこよかった？」
『……へ、あ、……そういうことか！』
佐「誠也くんばっかずるいもん、俺にも感想ちょうだい！」
『ふふ、はいはい』
さっきまではあんなに騒がしかった小島くんも、なぜか静かに私たちのやり取りを見守っていて。
リチャードくんたちは、帰り支度を進めながらも私たちのことを気にかけている様子で、それを考えると少し緊張しちゃうかも……私の次の言葉に注目が集まっているような気がして、何となく。
『めちゃくちゃかっこよかった！』
佐「……え、あ、ほんまに！？」
『嘘つかへんよ、ほんまにかっこよかったもん。ドラム叩いてるときも、ダンスしてるときも、ファンの子にきゃーきゃー言わせてるときも！アイドルやった！』
佐「ええ、うれしい……ほんまあ？俺のことそんな見ててくれたん？」
『うん、見とった！』
どちらかというと大人しい男の子のイメージやったから、ハイテンションでドラムを叩く姿には圧倒された。
それどころか、メンバーと客席を交互に見ては嬉しそうに目を細めて、大きな口を開けて楽しそうに笑うところも、それでいてしっかりとリズムを刻む仕草も、どれをとっても完璧なアイドルでしかなくて。
せーちゃんの大切なメンバーやから、ずっと知ってはいたけれど。
改めて私自身もよく知る友達として接してみたら、知らなかった一面が見えてくるようで。あんなにいい顔するんや、そう思ったらドキドキが止まらなかった。
小「うわ、俺もおるのにええ感じにならんとってくれる？腹立つわ〜」
『何ですか、ええ感じって！』
佐「……ほんまにな！いじるんやめてや」
小「まあでも、お似合いちゃう？晶哉とAちゃん」
正「可愛らしい組み合わせよな、何か」
『え、正門くん聞いてたんですか？』
にっこりと微笑んだ正門くんは、「うちの佐野をよろしくな」なんて私の頭を撫でた。どうやら彼はもう私を妹のように扱ってくれているらしい。
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作者名：流星
| 作者ホームページ：https://twitter.com/sst__05
作成日時：2023年5月16日 0時
