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貴方.
『そんなに年上に見えますか……？』
福「え、ちゃうちゃう！その逆！誠也くんと同じで、めちゃくちゃ若く見えるなあって思ってた！」
正「何か分かるわあ。えらい可愛らしい方やなって」
『……うまいなあ、流石アイドルですね』
正「ほんまに可愛らしいと思わんかったら言わんけどな？」
福本くんに、正門くん。なんて呼んだらええかは全く分からんけど、まあ暫くはそれで落ち着くやろう。
あんなに緊張してたのに、この人たちのコミュニケーション力を前にすると、あっという間に和やかな雰囲気になってしまった。打ち解けるというか、猛スピードで距離が縮まったような……
正「ところで、肝心の誠也くんは？」
小「シャワー浴びてんちゃう？」
『せーちゃんとはいつでも会えるから、何も気にせんといて……っわあ！？』
キョロキョロと辺りを見渡す2人を止めようとした瞬間、後ろから腕が伸びてきて、そのままぐっと抱き寄せられる。
頬に水滴が落ちてきて、びっくりして顔を上げれば、そこにいたのは間違いなく私の幼馴染み様で。やることなすこと全てが突然すぎて、今のもほんまにビビったあ……
末「なに人の幼馴染み口説いてんねん、おまえら」
正「口説いてないですよ〜。ただ、可愛らしいなあって」
末「それを口説いてるって言うねん。A、あんま真面目に聞き入れたらあかんで」
『も〜、過保護やめて』
リ「幼馴染みに過保護って言われてんのおもろいな」
おかしそうに笑ったリチャードくんに、同じように表情を緩めるせーちゃん。
口説かれてるとは思わんかったけど、まあ手慣れてるなあとは……アイドルとしての仕事の延長線上みたいな扱いをしてもらってる自覚はあった。皆して人をお姫様みたいに扱ってくれるもんやからね。
私の首に腕を回したまま、例えるなら後ろから抱き締めているような体勢で、「どうやった？」と私の顔を覗き込んだせーちゃん。
さっきまでは何を伝えるべきか迷っていたけれど、今はもう大丈夫やった。というか、それしか伝えられへんとも思うし。今の私の精一杯を、せーちゃんが拒む理由なんてないやろう。
『うん、めっちゃかっこよかったで』
末「……ふーん？」
『衣装も、せーちゃんのこだわり伝わってきたし。ダンス上手いし、歌もめっちゃかっこよかった！あ、女装して女の子より可愛くなるんはやめてな』
どうか私の気持ちが届きますように、そう思わずにはいられなかった。
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作者名：流星
| 作者ホームページ：https://twitter.com/sst__05
作成日時：2023年5月16日 0時
